概要
「道の駅さかい」は茨城県境町にある道の駅。利根川沿いにあり古くより海運で栄えた町を蔵でイメージしたのは現在の道の駅で、その北側に隈研吾建築都市設計事務所が設計する「さかい河岸レストラン 茶蔵」を新築。2019年4月19日にオープンしました。
「茶蔵」の1階には90分1,580円のビュッフェスタイル「さかいキッチン」、2階には鉄板焼き「さかい鉄板」、「さしま茶サロン」があります。
新型コロナウイルス対策で営業時間、営業形態が変更になっている可能性があります。ご留意ください。
「さかいキッチン」は地場境町で採れた新鮮野菜や塩麹(しおこうじ)や醤油麹を使用した肉やパスタ料理などが提供されます。地場産のサラダやスイーツもあるようです。料金は1,580円(大人)、780円(4才〜小学生)、3才以下は無料です。営業時間は11時30分(日曜のみ11時)〜17時。2019.5月現在、午前10時30分より整理券配布中。※当初予定より営業時間が変更になっています。
「さしま茶サロン」は茶のセットが700円〜提供。営業時間は11時〜17時。
「さかい鉄板」は1日1組限定の鉄板焼きレストラン。席数は8でシェフが目の前で振る舞うスタイル。料理はブリフィックスコース5,500円〜で完全予約制となっています。予約営業は5月8日以降となります。営業時間は17時〜22時。
※料金は全て税別。
2018年10月に既存店内に地元の食材を使ったサンドイッチ店「さかい サンド」がオープン済み。「河岸の駅さかい」は道の駅さかい から徒歩10分程度の場所にをオープン(現在リニューアル中。2019.6オープン予定)しています。
※各店舗は営業時間が変更になることがありますのでご留意下さい。

設計
設計は隈研吾建築都市設計事務所。施工は中和建設。
茨城県内の隈建築は公表されているもので、県南総合防災センター(取手)、丸山海苔店(つくば)に次ぎ3件目となります。
発注者である境町も期待しているように設計者のネームバリューも本施設のウリの一つと考えているよう。たしかに有名な建築家はたくさんいますが、建築家の名前だけで集客できるほどの人物は実は限られているかもしれません。
2020年4月以降には同じく隈研吾事務所が設計する「S-Gallery」「境町研究開発施設S-Lab」「モンテネグロ会館」が徒歩圏内に完成予定となっており、同エリアへの期待が高まっています。



このほか茨城県筑西市には隈研吾事務所設計の「広沢美術館」の開設準備が進められています。




建築の特徴
建物のテーマは地場の名産「さしま茶」。建物の周囲に茶のプランターを設置し日除けとしたり、内部の壁、天井にはさしま茶で染めたファブリックを掛けられます。
既存の道の駅と新レストランは外壁のプランターを少しづつ角度を寝かせながら構成した面を屋根に使って既存道の駅と連続性を持たせようというデザインに見えます。木製ルーバーと緑化の組み合わせは「新国立競技場」と同じですね。
オープニングイベントでも隈研吾さん自ら「新国立競技場にリンクするデザインにした」と言っていました。
木ルーバーを使ったファサードの操作は丸山海苔店(つくば)もそうであるように設計者の得意分野です。
茶の生育は水やりのタイミングや頻度など非常に気を使うと聞いたことがあります。それを建物に張り巡らせるとなると管理が非常に重要になってくるでしょうか。むしろその過程を建物内外から魅せるという狙いもあるのかもしれませんね。
建物自体は予算的な制約もあるなかで非常にシンプルと見受けられますが、プランターやファブリックなどの建築的なアクセサリーによって上手くプロデュースされていると感じました。





茨城県の道の駅の数は13とライバル?の栃木(24箇所)や群馬(32箇所)と比較すると圧倒的に少ないのが現状です。数だけの問題ではないかもしれませんが、今回のように地場の特徴を活かし発信していくような施設を茨城県内にも増やして欲しいと思います。


アクセス、営業時間
圏央道境古河ICより車で8分程度。公共交通機関の場合は東武東上線「東武動物公園駅」からバスで30分程度。境車庫行きのバスで「境町役場入口」で下車。道の駅なので電車・バスのアクセス性は正直良くないですが、近くにある日帰り温泉「御老公の湯」で駅間のシャトルバスがあります。温泉で時間調整しながら利用する手もあります。
道の駅店舗の営業時間は9時から18時、現在の軽食コーナーは10時から17時30分まで。