隈研吾設計”境町研究開発施設S-Lab”2020年完成

隈研吾設計”境町研究開発施設S-Lab”2020年完成

2019年6月5日
建築

概要

茨城県境町にワインや干し芋を特産物とするための研究開発施設「S-Lab」が2020年に完成し共用開始しました。「S-Lab」は見学や体験参加も可能な機能を持たせており、地域特産により街の魅力を向上させていきます。場所は境町の中心部で「道の駅さかい」や「河岸の駅さかい」の徒歩圏内にあり、同エリアに集中的に点在させることで周遊的なネットワークを高めつつ、街の再生を図る計画としています。

隈研吾設計"境町 粛粲宝(しゅくさんぽう)美術館S-gallery"2020年9月オープン

概要 茨城県境町に隈研吾建築都市設計事務所設計の粛粲宝(しゅくさんぽう)美術館「…
iskaa.net

隈研吾建築都市設計事務所は2019年4月に「道の駅さかい」に併設する「さかい河岸レストラン茶蔵」を設計。

茨城県内の隈建築は道の駅さかい「さかい河岸レストラン茶蔵」、県南総合防災センター(取手)、丸山海苔店(つくば)に次ぎ4件目、5件目となります。今回「S-Lab」と隣り合う形で美術館「S-Gallery」も完成済。異用途の建築が一体的なデザインのもと地域に新たな文化的価値を吹き込みます。

道の駅さかい "隈研吾設計 レストラン「茶蔵」"

概要 「道の駅さかい」は茨城県境町にある道の駅。利根川沿いにあり古くより海運で栄…
iskaa.net

建築家がある街の建築を集中して設計していくことは決して珍しいことではありません。県内であれば妹島和世作品が多い日立市がそうでしょうし、長野県安曇野市の内藤廣さんなども有名です。

2019年4月にオープン済の道の駅さかい「茶蔵」。

特産品研究開発施設とは?

研究施設と聞くと理科学系の「研究所」が思い浮かびますが、ここで研究・開発するものは「特産品」です。

開発ターゲットは「干し芋」の材料である「サツマイモ」と「ワイン」の「ブドウ」と公表されています。干し芋は既に茨城県の名産ですが、ワインの開発はまだ盛んとは言えません。

干し芋の産地としてはひたちなか市や東海村が有名で、茨城県産が国内シェア9割、冬季の乾燥した北西風が干し芋の乾燥に向いているとか。ビタミンB、C、Eが豊富で近年の健康食品ブームもあり需要が増えているそうです。

ワインは茨城では馴染みがないかもしれませんが、かつては「牛久シャトー」で葡萄の栽培から醸造、生産を行っていました。また、筑波山麓では「つくばワイナリー」が2013年から生産、現在では「Twin Peaks」を商品として販売しています。

境町は「さしま茶」が有名で、茶蔵のメインテーマにもなっています。これに加えて新たな食の発信ツールを増やしていきたいということかと思いますし、農業の後継者問題や農の収益効率化といった点で将来を見据えた拠点としての位置付けもあるのかもしれません。