概要
「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」は東京都目黒区にあるスターバックスカフェが運営するフラッグシップ店。2019年にオープン。現時点では世界でも出店は限られており、シアトル、上海、ミラノ、ニューヨークに続いて5店目の展開となります。
世界の既存店はテナントやリノベーションによりオープンしているようですが、東京は企画から建築、内装、プログラムまで全て新たにパッケージングされています。
設計
建物の設計は「隈研吾建築都市設計事務所」。アトリエ系と言われる設計事務所では国内最大手クラスの事務所で、全国および世界で幅広い設計活動を行っています。スターバックスコーヒーの店舗の設計は「太宰府天満宮表参道店」が初期作となり、木組み構造の内観は大きな話題を集めました。
また、隈研吾氏が設計した建物内にテナントとしてスタバが入居しているケースは数多くあります。2020年に長野県白馬にオープンした「スターバックスコーヒーLAND STATION HAKUBA」は、アウトドアメーカー「スノーピーク 」社がプロデュースする施設内に同社のチェアやデスクなどをインテリアとしています。
"隈研吾"snow peak LAND STATION 白馬 連峰と呼応する屋根と最高の景色を切り取る大開口
同じく2020年に暫定開業した山手線の約50年ぶりの新駅「高輪ゲートウェイ駅」には駅のコンコースが一望できるスペースにオープン。個別ブース付きの店舗として話題となりました。
隈研吾氏設計の飲食施設では「さかい河岸レストラン茶蔵」(茨城県・境町)、「奥社の茶屋」(長野県・長野市戸隠)などがあり、都内の建築作品としては「根津美術館」(南青山)、「ONE OMOTESANDO」(表参道)、「サニーヒルズ」(南青山)、「明治神宮ミュージアム」(原宿)などがあります。内装設計はスターバックスのデザイナーであったリズ・ミューラー氏が手がけています。
建築の特徴
スターバックスロースタリー東京のテーマを受け入れる4層構成は、軒下に杉板を貼った庇を逆勾配で張り出し、その上をテラスとすることで、各階に外部との接点を持つスペースを作り出しました。標準のスターバックスは1フロアの外部にテラス席を設けているケースが多いですが、ロースタリーでは1階にテラスは設けずに全ての上階をテラスとしました。
敷地境界に向かって上階に行くほどセットバックさせ、階高も1階が大きくなっていることで、地上から俯瞰的に眺めるとより遠近感が感じられる構成となっています。外部はガラスに映し出された周囲の景観が杉板の枠の中に取り込まれています。
店内構成
地上4階建ての建物は1階をセントラルとして「スターバックスリザーブ」を配置。メインバーを中心に超大型の銅板貼り「ロースター」が圧巻。焙煎したてのコーヒーを販売する「コーヒースクープ バー」で持ち帰りが可能。「プリンチ」はイタリアンベーカリーで、朝はコルネッティ、昼はフォカッチャ ピッツァ、夜はアペリティーボと時間帯により最適な焼き立てのパンが楽しめます。
2階は「ティーエクスペリエンス」をテーマに、あらゆる茶を使用した独創性のあるドリンクを提供する「TEAVANA BAR」。豊富な種類のティーをセレクトして持ち帰れる「TEA SCOOP BAR」があります。
3階は「アリビアーモ バー」。1,2階のドリンクメニューに加えて独創的なコーヒーのカクテルなどを提供するバーで、より大人の空間に仕上がっています。
4階は「AMUラウンジ」。コーヒーに関わるテイスティング、セッション、パネルディスカッションなどのイベントが開催されるスペース。予約制のイベント(有料)に参加することも可能です。
アクセス
スターバックスリザーブは一般のスターバックスのように駅近でなく、商店街からあえて距離をとった目黒川の目前に位置しています。このため駅からは少し距離をおいています。
1.池尻大橋駅(東急田園都市線) 徒歩14分
2.中目黒駅(東急東横線、東京メトロ日比谷線) 徒歩14分