松見公園展望施設”松見タワー”

概要

つくば市天久保にある松見公園内にある展望施設。完成した1976年当時はつくばが学園都市として発展途上で、当時としては周辺から見ると文字通り「タワー」でした。建設から40年以上経過し周辺の開発も進み、タワーを超える建物も増えましたが、現在も付近のランドマークとして現存しています。

設計

設計は菊竹清訓。戦後日本の建築のあり方や方向性を示してきた「巨匠」の一人。「メタボリズム」を提唱し建築や都市は社会の変化に応じて新陳代謝していく、というテーマで活躍した建築家です。

有名作としては住宅の可能性を広げ住宅史には必ずと言っていいほど登場する「スカイハウス」、「江戸東京博物館」、現存はしませんがサザンオールスターズの歌の舞台ともなった「パシフィックホテル茅ヶ崎」などがあります。

その他の作品は全国に残存していますが、茨城県内では唯一の作品となっています。科学万博では外国館の設計を担当しましたが現存はしません。

菊竹清訓は自身も大変な実績を残しているわけですが、菊竹事務所の出身者には「つくば南3駐車場」の伊藤豊雄や「茨城県ミュージアムパーク」の仙田満、内藤廣など国内外で活躍する第一線級の建築家などがいます。

建築の特徴

45mの塔状建築はつくばのペデストリアンデッキの南北軸の北側に位置し、建築時点ではその視認性は非常に高かったと推測されます。マンションですと15階程度の高さですので現在では市中心部にはこれを超える高さの建築物はたくさん出てきました。

最近ではこのような塔状建築が作られることは珍しくなりましたが、高度成長時代には都市計画上の街のシンボルとして使われることが多かったです。建築物の工法に自由度が出てくる中で建物を空に向かって伸ばして行こうという発想はごく自然な流れだったであろうと考えます。

茨城にはこのような塔状建造物が少なくありません。起伏が少なく平坦な土地柄に合うのでしょうか。牛久大仏や大洗マリンタワー、水戸芸術館、現茨城県庁もその延長にあるものかもしれません。

その中でも本作が一線を画しているのが構造を「鉄筋コンクリート造」としていることです。高層ですと東京タワーがそうであるように設計に有利な鉄骨造が採用されやすいのですが、重い鉄筋コンクリートで勝負しています。さらには頭でっかちとなる展望台部分を悠々と設けるなどの余裕を見せつけています。

圧倒的な存在感を放ちながら、今も建ち続けている。初期の菊竹建築は老朽化から解体されることも増えてきている中で、このタワーは40年経つ中でも何事もないように立っています。

ある意味、つくばの「新陳代謝」を俯瞰してきた存在はこの松見タワーなのかもしれません。

同公園内にあるHPシェル構造の屋根。菊竹清訓の作品かどうかは分かっていません。HPシェルとは1枚の紙の対角線で吊り上げるもの。屋根として理にかなった構造で見た目の美しさも持ち合わせている。

アクセスと駐車料金

つくば市天久保1−4。つくば駅からは徒歩15分程度。駐車場完備です。桜の時期は非常に混雑します。