“世界最高クラスの景色を眺めながら飲めるスタバ 隈研吾×スノーピーク”ランドステーション白馬店

“世界最高クラスの景色を眺めながら飲めるスタバ 隈研吾×スノーピーク”ランドステーション白馬店

2021年5月5日

概要

白馬は冬はスノーアクティビティを中心としたスキーリゾート地、夏は白馬(しろうま)岳を中心とする登山拠点として、年間通して多くの旅行者を受け入れています。雪質が良いこともあり長野では野沢温泉と並んだインターナショナルスノーリゾートとして知られています。この白馬を眺める絶好の場所に「スノーピークランドステーション」と「スターバックスコーヒーランドステーション白馬店」が2020年オープンしました。「富山環水公園店」が世界一美しいスタバとして知られていますが、こちらは「世界一美しい景色が眺められるスタバ」と言っても過言ではないロケーションにあります。大手キャンピングメーカーの「スノーピーク」の直営店舗を中心とした施設内に同社とコラボレーションした「スノーピーク×スターバックス」は白馬三山を目前としたロケーションで魅力を高め合います。

設計

施設の設計は隈研吾建築都市設計事務所。国内外で多数の建築を設計しており、長野県内の作品としては飯山市の「文化交流館なちゅら」や長野市戸隠の「奥社の茶屋」、小諸市の「安藤百福記念 自然体験活動指導者養成センター」などがあります。

"隈研吾"飯山市文化交流館なちゅら

概要 長野県飯山市にあるホール兼市民文化施設。旧市民会館の老朽化や利用状況の改善…
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戸隠神社奥社の入口にある隈研吾"奥社の茶屋"

概要 長野市戸隠にある茶屋。戸隠神社は戸隠山の麓に、「奥社・中社・宝光社・九頭龍…
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スターバックスの店舗としては東京目黒に出店した「スターバックスリザーブロースタリー東京」、福岡の「太宰府天満宮表参道店」、そして台湾の「スターバックス花蓮湾ストア」といずれも注目されたストアです。

"隈研吾"スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京 目黒川沿いにあるスタバのハイエンドモデルストア

概要 「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」は東京都目黒区にあるスタ…
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店舗

「スターバックス・スノーピークランドステーション白馬店」は長野県内にある25のスタバの店舗の中でも軽井沢ショッピングプラザなどに続いてのリゾートエリアへの出店となります。このスタバの最大の特徴は店内の椅子やテーブルなどがスノーピークブランドであるということです。名作と言われる「ローチェアショート」、アウトドア用ソファ「ラックソット」、テーブル「IGTスリム」などが並びます。白馬岳を眺め、コーヒーを飲みながらスノーピークの看板商品を体験できるショールームの役割も果たしています。もちろん、屋外席もあり、さながらキャンプ感覚でスターバックスのドリンクを愉しむことができます。また、内部には白馬村の観光案内スペースもあり、白馬観光の新拠点としても機能します。敷地内にはグランピングが可能なエリアも用意されています。スノーピークの商品で隈研吾氏がデザイン監修した「住箱」や同社のハイエンドモデルのテントが予め設営され、初心者でも気軽に利用することができます。

「リージョナルランドマークストア」となりうるか

全国に1,200以上あるスタバの店舗のうち25の店舗(2020年12月現在)が同社の「リージョナルランドマークストア」として位置付けられています。「リージョナルランドマークストア」とは「国内の象徴となる場所に建築デザインされ、地域の文化を世界に発信する店舗として訪れる人々がその地域の歴史や伝統工芸、文化、産業の素晴らしさを再発見し、その発見を通じて地域へ絆を感じられるよう、様々なローカルのデザインエレメントを織り込んだ店舗」(スターバックスコーヒージャパン)としています。目黒にオープンした「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」は未だ世界に5店しかないスタバのフラッグシップモデル店で同じ隈研吾事務所設計のもと、文字通りランドマークとなりうる店舗として注目されました。一方、「スターバックス・スノーピークランドステーション白馬店」は優れたローケーションや店舗コンセプトなど「リージョナル」という点では十分すぎる要素を備えていますが、現時点では同社によるリージョナルランドマークストアにはラインナップされていません。「新宿御苑店」や「上野恩賜公園店」などのようにクオリティが高い店舗であっても必ずしもリージョナルの枠組みに入っていないストアもあります。

"歴史的有料公園内にあるリージョナルランドマークストア"スターバックスコーヒー新宿御苑店

概要 「スターバックスコーヒー新宿御苑店」は東京都新宿区・渋谷区にある新宿御苑(…
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"日本最初の都市公園 歴史をつなぐ文化の森"にあるスターバックスコーヒー上野恩賜公園

概要 「スターバックスコーヒー上野恩賜店」は東京都台東区にある上野恩賜公園内にあ…
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建築・インテリアの特徴

建物は南北方向を長辺とした配置により西側に開ける白馬連峰と並行して佇んでいます。東側からやや閉鎖的な立面をアプローチして屋内に入ると一気に視界が開ける展開。西側には広大な芝生エリアが広がります。屋根の形状は白馬3山からインスピレーションを得ており、内部から見える山のラインの切り取り効果も意識しています。白馬連峰側に大きく開くガラス面は北側で最も大きくなり、地場の木材によりはみ込まれた木格子が全体のガラス質の印象を和らげ、周辺環境と呼応しているよう。木の格子は建物内にも連続させており、内外の境界を薄めつつ白馬の景色を建物に引き込むような印象を与えています。木格子の下にはスターバックスコーヒーが納まり、建物全体のハイライトポイントとなっています。

店舗内部は鉄骨造のフレームをシンプルに現しつつ、ガラスにより大開口を設けて白馬の景色を多分に取り込んでいます。景観を大きくフレーミングすることによって景観自体をインテリア化しています。白馬の小径レリーフなど地場の特徴を見せています。

スノーピークランドステーションの正面向かって左側がスターバックスコーヒーが入店している
白馬三山(白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳)をイメージした大型レリーフ。小径をタイル状に貼り、彫刻して着色している。
内部のファニチャーの多くにスノーピークのギアが使用されている。テント(リビングシェル)とソファ(ラックソット)やテーブル(ワンアクションテーブル竹)とローチェアなどが並ぶ。
ハイチェアとハイカウンタータイプからなるスタバのスタンダードファニチャーも並ぶ
テラス席にもローチェアーが並び、白馬の自然が最前席で楽しめる。世界一美しい景観が眺められる特等席。

アクセス、見学

JR大糸線白馬駅、より徒歩10分程度。駐車場あり。見学は施設利用が可能。