“妹島和世”すみだ北斎美術館

“妹島和世”すみだ北斎美術館

2021年1月29日
建築

概要

すみだ北斎美術館は江戸中後期に活躍した「葛飾北斎」の美術館。90年の生涯で90回も引越しをしたと言われる北斎ですが、生まれもで最も長く過ごしたのが隅田と言われています。全国に複数の北斎美術館がありますが、本家というべき場所に出来たのがこの「すみだ北斎美術館」です。隅田区は30年ほど前から北斎生誕の地として、美術品の収集や建設準備を進めてきました。

設計

設計は妹島和世が170を超える提案の中から設計プロポーザルにより選出(次点は北山亘)されました。妹島氏は西沢立衛氏と共同でSANAAを運営、国内外で活動の幅を広げてきました。2010年にはプリツカー賞を受賞しています。

近年では「JR日立駅」の設計監修、「日立市庁舎」を設計しています。SANAAとしては「ルーブル・ランス(フランス)」、「金沢21世紀美術館」、「Dior表参道」などがあります。

妹島和世デザイン監修"海の見えるJR日立駅"

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"妹島和世設計"日立市新庁舎

概要 世界的に活躍する地元日立出身の建築家"妹島和世"が共同主宰するSANAAの…
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建築の特徴

造形性の高いフォルムにアルミニウムパネルが貼られた外観が特徴的な建物です。前面の緑町公園からは「N」を変形されたようなエレベーションをしており、切れ込み部分をエントランスや採光上の開口部としています。

全体としては非常にクローズドな印象を放っています。これまでのSANAAの作品はガラスを多用した開放的な作品が主でしたが、本建築は対極的な外観となっています。教科書的には前面の公園を取り込む形のプランニングが考えられますが、十分な広さの敷地ではなく、上階に伸ばして面積を確保する必要があり、また美術館という内部展示を重視せざるえないことから、あえて金属の中でも軽量なアルミを外壁として使い、周囲の風景を、「淡く柔らかく写り込ませる」というコンセプトで周辺との呼応を図っています。

外壁パネルは「光輝アルミ合金」という特殊な表面処理を施したアルミ板を使用しており、通常のアルミ板よりも反射性を抑えられる特性を持っています。周辺の住宅や線路に対して配慮されています。

プランニングでは一階は4面全てにスリット(出入口)があり、十字型の自由通路が通っています。4つに分断されたスペースは「エントランスホール」、「図書スペース」、「講義室」、「サービス」で2階以上が実質的な美術館スペースとなります。

案内板
緑町公園側のエレベーション。スリットが入り込む。壁面との明るさの対比によりシャープさが際立っている
後方斜め側からのビュー。裏表がない、という意図もあるようだ。
風景の写り込み。視点から手前ほど曖昧で奥に行くほどよりクリアに反射している。
西側の立面。地上から縦にスリットが2本入る。

アクセス・開館時間

「アクセス」

・電車 都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩5分。JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分

・都営バス 「都営両国駅前」より徒歩5分

「開館時間」

・開館時間 9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)

「料金」

・常設展示 大人400円、企画展示は別途

・休館日 毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)、年末年始(12月29日~1月1日)