“中村拓志設計”東急プラザ表参道原宿

“中村拓志設計”東急プラザ表参道原宿

2021年1月23日
建築

概要

「東急プラザ表参道原宿」は東京原宿にある商業施設。1998年までは「原宿セントラルアパート」(共同住宅)、2010年までは「ティーズ原宿」(商業施設)が当初の建物で運営され、2012年に現在の東急プラザに建て替えられました。「神宮前交差点」という国内でも有数の商業的価値が高いゾーンにあります。

設計

設計は中村拓志氏(NAP建築設計事務所)と竹中工務店の共同設計。中村拓志氏は大学建築学科在学中からコンペティションで多数の受賞経験を持ち、卒業後は隈研吾建築都市設計事務所で腕を磨き、その後独立。独立後も早いうちから実作を生み出し、作品を元にして数々の建築関連賞を受賞、現在では約40名の所員を抱える事務所の代表として活躍。TBS「情熱大陸」(建築家としては過去に安藤忠雄、藤森照信、坂茂、田根剛などが出演)にも取り上げられるなど注目され、40代でも「若手」と言われる建築家の世界で「若手の相場年齢」を引き下げた一人と言えます。

表参道は建築家のショールーム(MVRDV安藤忠雄)と言われるほど国内外の著名建築家による作品が並んでいます。その中心とも言える神宮前交差点に仕事の依頼が入るだけでも建築家への期待感が示されていると思います。

竹中工務店は国内最大手のゼネコンの一つで、原宿・表参道エリアでは「GYRE」、「TODS表参道ビル」、「PRADA青山店」など複数の物件で設計、施工を手がけています。

建築の特徴

設計者である中村拓志氏はケヤキ並木に相対して並ぶ表参道の「樹下空間」がエリアの特性として捉え、この特性を建物の上階にまで引き上げることを目的として、最上階に森を配し、そこから森の自然が下階に展開していくというコンセプトのもとデザインしています。

一般的な商業ビルでは必然的に通りに面したショーウィンドウ側が最も商業的にパワーを持ち、移動距離があり視覚的に届かない上階ほど、その力が弱まっていくという条件を逆説的に改善するために、建物の頂部に緑を載冠させて上階の力を高めています。

また、エントランスから伸びるエスカレーターを囲う壁面には鏡が多面的に全面に貼られており、そこに外部の景色や人々が移り込み、移動とともに見え方が変わります。建物の上から、そして下から様々な仕掛けでアプローチすることで「奥を作らない」建築がここにはあります。

屋上は従来の屋上庭園とは一線を画していて、「森」のような緑化空間が特徴となっています。「おもはらの森」と称された緑地はすり鉢状となっており、多角的で造形的な階段により樹々の陰影をより深みを与えています。

「おもはらの森」には「やさいの森」と言われる菜園があります。この菜園は東急・伊藤園・キューピーが共同で設立した団体によりブランド人参などが栽培され、収穫イベントなどに一役買っています。

おもはらの森。6角形の踏面により構成された階段は陰影をより強調させ、緑地により立体的な印象を与えている。
緑化と階段によりすり鉢状のスペースを生み出している。
おもはらやさいの森。緑化に加えて「菜園」も備えている。

カフェ

飲食店では「スターバックスコーヒー」は「おもはらの森」の主階である6階に位置し、天空のスターバックスとして有名な店舗です。店舗限定スイーツメニューがあることでも知られています。最上階である7階にある「bills」はシドニー発のオールデイカジュアルダイニング。パンケーキが有名で朝食メニューがオススメとして知られています。このほか、3階には「OH MY CAFE」、5階には「URTH CAFE」と言った話題店が入居しています。商業テナントでありながらもカフェのラインナップが充実しているのが「東急プラザ表参道原宿」の特徴と言えます。

アクセス

JR原宿駅より徒歩4分、東京メトロ明治神宮駅から徒歩1分。