“隈研吾設計”明治神宮ミュージアム

“隈研吾設計”明治神宮ミュージアム

2020年12月22日
建築

概要

明治神宮ミュージアムは鎮座100年として建てられた明治神宮の展示施設。2019年に参道沿いにオープンしました。明治神宮の祭祀である明治天皇ゆかりの品々が展示されています。

既存の展示施設であった「宝物殿」は長らく使用されてきましたが、東日本大震災の被害や重要文化財指定を受けたこともあり、耐震化工事のためしばらくの間閉館することとなりました。

新たに建築された場所は原宿口から社殿へ至る参道脇の木々が生い茂った中に立てれられました。明治神宮の杜(もり)は漢字の「森」が木々が生い茂った場を示すのに対して「杜」とは神々が宿る木々という意が込められる場合に使われます。

設計

設計は「隈研吾建築都市設計事務所」。アトリエ系の設計事務所では国内最大手クラスの事務所です。寺社に関わる建築では「一行院(新宿区)」、「赤城神社(新宿区)」、「瑞聖寺庫裡(港区)」などがあり、美術館・博物館では「角川武蔵野ミュージアム」、「根津美術館」、「那須歴史探訪館」、「STONE PLAZA」、「広沢美術館」、「那珂川町馬頭広重美術館」、「S-gallery 粛粲寶美術館」など多数。原宿・表参道エリアでは「ONE OMOTESANDO」、「サニーヒルズ」などがあります。

"隈研吾設計"根津美術館

概要 根津美術舘は東京都港区南青山にある美術館。2009年に新たに建替えオープン…
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建築の特徴

建築は杜の木々に隠れるようにデザインされています。明治神宮の杜は献木(植林)されて100年。もっと長い時間をかけて育ってきたかのような印象を与えています。森林エリアが限られている都心にあって、広大な杜は環境面でも生物学的にも貴重な緑地となっています。そのような緑地に手を入れるため、建築は最小限の計画とされています。

建物高さは周囲の木々の高さを超えないように2階建てで抑えられており、入母屋屋根によって全方向に軒を出すことにより、日本の伝統的な建築の姿であり、神社という場から逸脱しないプロポーションとなっています。

設計者は2000年頃に「消える建築」を標榜し、地中に埋める建築やルーバーなどを用いて建築の存在感を可能な限り目立たせないという手法によって多くの作品を生み出してきました。その後は素材やその使い方などによって、魅せ方に力点を置いた建築にシフトしつつありましたが、この建築は伝統的な意匠を取り入れることにより神宮という場に相応しい、また杜の中で極力その姿を感じさせないという「消える建築」の手法によって設計されたという見方もできるのではないかと思います。

内部のカウンターなどには伐採された木が使用されており、神宮の「再生・循環」という考え方にも配慮しています。

明治神宮原宿口のエントランスにある「明治神宮CAFE杜のテラス(オークビレッジ建築研究所)」中に配置されているテーブルや椅子にも「明治神宮御造営時の献木の枯損木」が用いられており、明治神宮の共通項となっています。

参道からは建物の全貌は見えにくいように配慮しているようだ。
参道側の2階部分は張り出しており、その下の通路は裏手のフォレストテラス明治神宮に伸びている。傾斜を意識したデザイン。
薄く深い庇のエントランス部分。
高さの抑えられた入母屋屋根。周囲の木々より引く抑えられている。

明治神宮の施設

明治神宮は明治天皇が祀られた社殿をはじめとして、参道、明治神宮会館、宝物館、至誠館などがあります。

代々木の杜は植樹(献木)により現在の杜に成長しており、再生・循環という神宮のコンセプトに沿いながら時を刻んでいます。

アクセス

JR原宿駅より徒歩1分。東京メトロ千代田線、副都心線明治神宮前駅より徒歩1分。