2025年オープン予定。湘南エリア初進出。神奈川の最強海岸国道134号に誕生する”道の駅サザン茅ヶ崎”

2025年オープン予定。湘南エリア初進出。神奈川の最強海岸国道134号に誕生する”道の駅サザン茅ヶ崎”

2020年1月21日

概要

「道の駅 サザン茅ヶ崎(仮称)」は神奈川県茅ヶ崎市に整備中の道の駅。2022年3月のオープンを目標としていましたが、新型コロナウイルスによる影響や財政平準化のため、オープン時期を2025年(令和7年)7月に延期することが公表されました。

茅ヶ崎市は神奈川県の相模湾に面する中心部に位置し、いわゆる「湘南」エリアの一角をなしています。東には「江ノ島」を有する藤沢が隣接し、鎌倉、逗子、葉山と続き西には平塚、大磯、二宮、小田原、(箱根:海岸とは接続しない)、真鶴、湯河原と県外の方でも耳にしたことがある有名な地名が国道134号(135号)を軸に東西方向で繋がれています。

「湘南シーサイドの中心エリアに立地する道の駅」として「観光国道134号線」の主力の道の駅として期待されています。

神奈川県内には道の駅が4ヶ所と全国的に見れば、意外にも道の駅が少ないという現状があります(既存の4駅は箱根峠、山北、清川、南足柄)。県内で具体的に整備の計画を持っている自治体は茅ヶ崎のほか綾瀬があります。

"2020年(令和2年)6.26オープン "南足柄市 道の駅 金太郎のふる里

延期後の開業日 2020年4月24日にオープンが予定されていましたが、新型コロナ…
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県内では東海道(国道1号)や足柄道(国道246号)など歴史のある街道が通っていながら、道の駅の開発は地方に大きく遅れを取っていました。理由としては、神奈川県内では東名高速を中心として有料道路が早くから整備され、車の利用者は高速移動が確立されていたことが挙げられます。もう一点は開発したくても設置場所が無いこと。神奈川は関東圏第二の経済県ですが、決して広くはない土地に都市や住宅などが早くから開発され、道の駅の候補地となりうる国道沿いの農地など、広い土地が希少化していた現状があります。また、道の駅の新規開設は市町村が主体で行われることがほとんどですが、神奈川の市町村は地方ほど道の駅による町の活性化や町おこし的な施設を必要としていなかったことなども背景にあるのではないかと思います。

道の駅サザン茅ヶ崎計画地を東から西に望む。左手には相模湾が広がり奥には箱根の山並み、右奥にはもちろん富士山が控える。

そういったなか、茅ヶ崎市は国道1号、国道134号、JR東海道線など主要な交通幹線を中心に発展してきましたが、今後は人口減少に転じるとの予想を早期に取り入れつつ、134号を核とした湘南の中心エリアに道の駅を整備することで交通の利便性にくわえ、地域交流や防災機能など幅広い活用を図る計画としています。

茅ヶ崎の名所

茅ヶ崎というと道の駅の仮称ともなっている「サザン(オールスターズ)」です。茅ヶ崎は桑田佳祐氏の出身地として知られ、市内では「サザン通り」や「茅ヶ崎サザン花火大会」など「サザン」を冠としているネーミングがいくつかあります。

景勝物としては「サザンビーチ茅ヶ崎海水浴場」から眺める三浦半島から伊豆半島まで一望できる海岸の風景、そして海岸から1kmほど離れた海上にある「烏帽子(えぼし)岩」。箱根駅伝でも選手が海に付近に近づいてきた時には烏帽子岩がズームアップされる様子が映し出されます。

中央にあるのが烏帽子岩。左上に江ノ島が見える。

建築設計

建物のコンテンツは道の駅に必要な機能であるトイレなどを含む「休憩施設」と物販やレストランを中心とした「地域振興施設」からなります。

道の駅の建築は「保坂猛建築都市設計事務所」で、茅ヶ崎市の設計プロポーザル(公募)により決定されました。同設計事務所は戸建住宅や集合住宅、店舗や教会などを中心として実績を残しており、パブリックな作品の代表作としては山梨県の河口湖にある「ほうとう不動」、茅ヶ崎から程近い辻堂の「湘南キリスト教会」などがあります。設計者は横浜国立大学を卒業し神奈川の仕事も多く、茅ヶ崎という土地柄との親和性もあるのではいかと思います。

道の駅の目指すテーマは姉妹都市である「ハワイ ホノルル」です。公開されている予想図によれば白い大屋根の中に複数の機能を内在させ、シーサイドに近い立地を生かし、海辺の開放感と潮風が感じられやすい施設になるのではないかと思います。

ハワイは日本人から最も愛される海外の観光地の一つ。道の駅と組み合わせれば最強のコンテンツとなり得ますが、湘南のイメージそのものの良さも十分ありますので、「やりすぎない」範囲で調和を図ってもらいたいと思います。

2021年の公表では施設の設計も含めた建設、運営までを一括発注するDBO方式により整備するとされています。これまでの設計は基本設計として活用しながら、施工を前提とした詳細設計が今後進められるのではないかと思われます。

コンテンツ

道の駅のレストランなどの具体的な出店情報は今のところありませんが、市が中心となり、道の駅から発信するオリジナルブランド
「Choice! CHIGASAKI」を進行中。道の駅の開業を見据え、道の駅での販売やコンテンツを掘り起こしていく取り組みです。「モノ・飲食」、「モノ・雑貨」、「コト」にジャンル分けをして公募により、リストアップを図っています。