概要
みなとみらい線は横浜駅と元町・中華街駅間の6駅(横浜、新高島、みなとみらい、馬車道、日本大通り、元町・中華街)を主に地下で結ぶ路線で東急東横線との乗入れによって渋谷まで足を伸ばせるようになりました。
馬車道は開港後、横浜港と関内にあった外国人居留地の間を外国人が馬車で通行していたことから、このように呼ばれ、馬車道という住所は無いものの商店街としての通称として現代に引き継がれています。
歴史的に金融機関などを中心とした近代的な建造物が並び、現代でも多くが保存・利活用されるなど横浜の観光拠点として長く親しまれています。
この馬車道駅も横浜銀行旧本店別館が位置しており、現在でも横浜アイランドタワーの1階部分として残されています。そのような歴史的文脈を継承しつつ、地下路線との融合を図るべく「過去と未来の対比」をテーマに本駅は計画されました。
設計
設計は内藤廣。内藤廣は木構造を得意とする建築家で「安曇野ちひろ美術館」や「とらや工房」などが有名です。
駅舎の設計はJR北海道・旭川駅を足掛かりとして「JR高知駅」、「JR日向駅」など以降の駅にも注力しています。駅の中では唯一の地下駅の設計。
東京・銀座の「MIKIMOTO GINZA」では注目度の高い外装デザインを手がけるなど幅のの広い活動をしています。
"内藤廣 +KAJIMA DESIEN"MIKIMOTO GINZA 38,000のガラスピースにゆる春の海の光景
特徴
過去の継承として駅の壁面全体にはレンガが手積みされています。改札には地下ながらも2層吹き抜けのドーム天井があり、周囲のレンガと合わせた空間が広がります。改札内からホームに通じるレンガ壁面には横浜銀行旧本店で実際に使用されていた金庫の扉などが嵌め込まれ駅の利用者の視線を引いています。
当駅以外のみなとみらい線の各駅では違う建築家が設計しています。元町・中華街駅は伊東豊雄氏、みなとみらい駅は早川邦彦氏と同じ路線でも異なるデザインによって個性や変化を与えています。両駅は近未来的なデザインと言え、違った地下の風景を作り出しています。