“隈研吾設計”根津美術館

“隈研吾設計”根津美術館

建築

概要

根津美術舘は東京都港区南青山にある美術館。2009年に新たに建替えオープン。東武鉄道グループの根津家が3代に渡って運営する私設の美術館で、昭和16年に初代美術館が開館してから3代目の美術館となります。

東武財閥の根津嘉一郎がコレクターとして収集を始め、現在では7,000点とも言われるコレクションは一級品が揃っています。茶道具を主として、絵画、水墨画、写経、漆工、陶磁器、刀剣などバリエーションに富んでおり、国宝7点、重要文化財90点弱という点数からも美術館の価値の高さを伺い知ることができます。

設計

設計は「隈研吾建築都市設計事務所」。美術館・博物館では「角川武蔵野ミュージアム」、「那須歴史探訪館」、「STONE PLAZA」、「広沢美術館」、「那珂川町馬頭広重美術館」、「S-gallery 粛粲寶美術館」など多数の実績を残しており、表参道エリアでは「ONE OMOTESANDO」、「サニーヒルズ」などがあります。表参道の始点である明治神宮には2019年に「明治神宮ミュージアム」が開館しました。

建築の特徴

建物形状はシンプルな切妻型とし周辺部を一段低くして庇状に屋根を架けることで2層構成として見せています。屋根全体は瓦葺きとしながらもシャープな印象とするため、棟瓦などの瓦屋根の特徴を排して、役物を一切用いない工法としており、軒先は極限まで薄くするためリン酸処理を施した鋼板により納めています。

切妻型の屋根と薄い軒先、そしてガラスによる周辺環境と呼応する手法は「那須歴史探訪館」や「那珂川町馬頭広重美術館」に通じるものがあります。

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外壁も軒先と同様にリン酸処理を施した鋼板を縦使いとして垂直性を与え、庇の水平性とバランスを保っています。

正面道路と並行して「竹」をテーマとしたアプローチが整備されています。道路側を竹の植栽、建物側の壁面を竹張りとして人工的な竹林の間を抜けて行く通りは、道路の喧騒から一瞬で静寂な空間に入り込んだかのような錯覚をもたらします。

建物正面。低層部がエントランス。右側のガラスの中はショップやラウンジなどがある。
表参道駅方面からのアプローチ。外壁は低層部は竹張り、上層部はリン酸処理鋼板が用いられており、黒い鋼板と竹の対比が美しい。

壁面を竹張り、囲障を竹林としている。深い庇により半屋外となり、より緊張感や静寂性が感じられる
歩道に面した竹林。手入れは欠かせない。
エントランスと反対側の立面。切妻の2段構成により、住宅街に対しても親和性がある形態となっている。

館内は常設展示、企画展示(展示室は全6室)のほか喫茶室「NEZUCAFE」、「ミュージアムショップ」、「講堂」などがあります。

20,000㎡を超える敷地内にある「庭園」も見どころの一つとなっています。起伏のある敷地に整備された庭は深山幽谷(前人未踏の地のような自然)を意識しており、都会の中心とは思えないような豊かな自然と静寂が感じられる場です。庭園には茶会の開催が可能な9の茶室(弘仁亭、無事庵、閑中庵、牛部屋、披錦斎、一樹庵、斑鳩庵、清渓亭、薬師堂)が用意されています。

開館時間等

午前10時〜午後5時(最終16時30分)。展示準備期間などで休館あり。

アクセス

東京メトロ半蔵門線、千代田線表参道駅より徒歩8分。駐車場9台。