“マウントフジアーキテクツスタジオ設計”道の駅ましこ

“マウントフジアーキテクツスタジオ設計”道の駅ましこ

2019年1月6日

概要

「道の駅ましこ」は栃木県益子町の県道沿いにオープンした栃木県24カ所目の道の駅。益子町は「益子焼」で全国有数の陶芸の街として知られ、春夏に行われる益子陶芸市では多くの観光客が集まります。建物のある敷地は陶芸展が多く建ち並ぶ益子地区の中心エリアから数キロ離れた田園地帯の県道257号線沿いにあります。

設計

設計はマウントフジアーキテクツスタジオ。原田真弘氏と原田麻魚氏が共同代表をつとめる設計事務所です。原田真弘氏は隈研吾建築都市設計事務所、磯崎新アトリエを経て独立。現在、出身大学である芝浦工業大学で建築学科教授としてプロフェッサーアーキテクトとしても活動しています。設計は公募型プロポーザルによって選出。平成29年度に栃木県初となる「日本建築学会大賞」を受賞しています。2021年春には千葉県流山市の流山おおたかの森・新SC「FLAPS」が誕生します。

"マウントフジアーキテクツ"流山おおたかの森FLAPS 基壇化で生まれた屋上緑化空間を持つ街のリビングルーム

概要 「FLAPS」は千葉県流山市「流山おおたかの森SC」の別館となる新商業施設…
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建築の特徴

東西を長手方向として幅62m、奥行23mの平面に大断面コンクリート壁柱を配置し、その上に山形の屋根を3列にずらして架けた外観が特徴的で地場で採れた「八溝杉」を使用した集成材を主架構としています。間口部分は両側ともガラス張りとすることで建物内外から架構や透過する景色を視認できます。山形の大屋根が織りなす複層的な天井の下には野菜のマーケット(市場)やレストラン、工芸品展示スペースなどがあり、ワンルーム型のため臨場感の伝わってくる構成となっています。

素材には一段とこだわりを見せており、扉の取手などのパーツに「益子焼」そのものを使用したり、益子焼の原材料となる「土」を外壁に左官として使っていたりと地場の特徴を最大限、活かした建築となっています。

山形が3列に折り合う立面は多層的で周辺の環境に馴染んでいる。ガラスに周囲の景色を映り込ませたり、透過したるすることも調和の手法。
仕上げに益子焼の原材料となる土を塗った外壁左官。壁は大屋根を支える壁として機能している。

八溝杉の集成材の大梁を屋根形状に合わせてダイナミックに架構

北側正面。奥の空をガラスを透過する

建物コンテンツ

建物内外は賑わいを見せており施設の人気の高さを感じさせます。建物内のコンテンツは「ましこのマルシェ」と銘打った「地場産の食品」や「工芸品」を扱うスペース、「陶芸品の展示」スペース、それから注目は「ましこのコンシェルジュ」。観光案内は定番としてここでは「定住・移住サポート」まで行なっています。

陶芸品の展示スペースには町の益子焼の作家の作品が150点ほど並び、益子焼の作品展示カタログとしても機能しています。

面積の半分はましこのマルシェ。北側テラス側にはレストラン。東側は展示やコンシェルジュが配置されている。

マルシェでは地場で採れたての野菜や果物を中心とし総菜や調味料、アルコール類などの商品も豊富で見てて飽きないレイアウトとなっています。冬の時期はもちろん「とちおとめ」が並んでいます。

アクセス

車では北関東道の各ICからアクセスがしやすく、西側から真岡ICより車で約20分、桜川筑西ICより車で約15分、友部ICより車で約30分。電車では真岡鉄道益子駅よりタクシーで10分ほどとなります。

住所 〒321-4225 栃木県芳賀郡益子町長堤2271

24箇所目の道の駅ましこは茨城に近い右下に位置する。比較的道の駅が多いエリア。