隈研吾設計”JR宝積寺駅”

10数年ぶりにJR宝積寺駅に行ってきました。一定の時を経て再度訪問することは建築物の時間的および使われ方の経年変化を垣間見ることができます。見る側にとってもこれまでの蓄積から「見方」にも変化があり、より新鮮な目で見れることも少なくありません。

栃木県高根沢町にある宝積寺駅はJR東北本線と烏山線の分岐となる駅です。2008年に隈研吾により設計されました。駅の構造は橋上駅で東西を1づつの大階段により線路上を繋いでいます。特徴は階段の天井部分で構造用合板をランダムな菱形に組んだ天井です。金属的な外観に対して内部天井を合板の立体的な木目の現しとすることで、より強調された表現するとなってます。

菱形は駅舎と一体的に整備された「ちょっくら広場」の壁の石積みのパターンでも使われています。

構造用合板という極めて汎用性の高い建築材料を本来の平面使いから縦方向に立体的に組み上げるという試みをしています。このような「安い材料」を使い方で変化をつけるような見せ方は見ていてもワクワクしますね。合板のメンテナンスを行なっているのか経過年数ほど劣化していないように見えました。

コンコースの天井も階段と同様
ブロック状の大谷石の上に角材を敷いたシンプルなベンチ

階段は傾斜しているため歩く人が否応無く天井の中にまで視線が届くこととなります。高天井ですとどうしても見上げないといけない場面もありますが、ここではその必要はなく登って降りるだけでこの天井が体験できます。菱形の間には7cmほどのスリットがありますが、ここにライン照明をうまく納めています。駅舎自体はガラスにより透過していますので夜間に照明化されるとまた違った表情を見せてくれるかもしれません。

 

天井は50cmほどの奥行きを持っていて光が照らされる部分と暗い部分のグラデーションが美しい

電車に乗らない人も線路の横断歩道として利用しているようでした。エレベーターも設置されているのでバリアフリー上も有効な設備といえますね。再訪して良かったと思いました。