茨城県有名建築10選(2010-2020)
茨城の有名建築と言えばかつては「つくばセンタービル、水戸芸術館(磯崎新)」、「茨城県近代美術館(吉村順三)」、「つくばかピオ」など「巨匠」と言われる作品が有名でしたが、2010年以降になると建築家の世代も入れ替わり新たな建築が増えつつあります。日立市では市出身の妹島和世氏の公共作品が、境町では地域活性化を目的として隈ブランドを活用などを中心とし、2010年以降に建築されたもので注目された建物をピックアップしました。
- 日立市新庁舎(日立市・SANAA)
- JR日立駅(日立市・妹島和世監修)
- 予科練平和記念館(阿見町・吉村靖孝)
- 道の駅さかいレストラン茶蔵(境町・隈研吾)
- 丸山海苔店つくば工場店(つくば市・隈研吾)
- 広沢新美術館(筑西市・隈研吾)
- 粛粲宝美術館S-gallery(境町・隈研吾)
- 研究開発施設S-Lab(境町・隈研吾)
- モンテネグロ会館(境町・隈研吾)
- 真壁伝承館(桜川市・設計組織ADH)
日立市新庁舎(SANAA・日立市)
茨城県日立市出身の妹島和世は初期作こそ「日立」や「ひたち野うしく」などに実績はありましたが、それから約20年の時を経て市のシンボルを手掛けることになりました。設計はプロポーザル により選出。内藤廣や山本理研、大手設計事務所などの実力派を退けプロポーザル最優秀案となりました。2019年に完成。
JR日立駅(妹島和世監修・日立市)
日立市庁舎に先立って完成したのがこの日立駅。実施設計はJR東日本建築設計で妹島氏は監修という関わりながらもその姿は妹島建築そのもの。海の正面の高台という立地を活かし「海の見える駅」として話題を呼んでいます。
予科練平和記念館(吉村靖孝・阿見町)
吉村靖孝(早稲田大教授)設計の記念館。予科練とは旧海軍の飛行訓練施設。阿見は現在も自衛隊の街として繋がっています。地理的な条件とコンテンツの重みなどから、他の建築と比較し話題に上ることは少ないですが、外壁素材の面白みや時間経過による印影変化など内外ともに見応えある建築であることは間違いありません。霞ヶ浦周辺の観光では立ち寄りたい建築です。
道の駅さかいレストラン茶蔵(隈研吾・境町)
2019.春にオープン。道の駅併設レストランということもあり話題性抜群。本レストランはコンパクトながらも地場の名産「茶」をデザインに多用し地域の文脈を取り込んでいます。
丸山海苔店つくば工場店(隈研吾・つくば市)
有名建築が豊富なつくば最初の隈建築。道の駅さかいの茶蔵と同様に隈建築が得意とするファサード感が強い建築ですが、螺旋状に取り巻くルーバーはインパクトがあります。
広沢新美術館(筑西市・隈研吾)
三角形のプランの建築に、敷地内にあった石が建物周囲に積み上げられ、外装が全て石で覆われた建築。
粛粲宝美術館S-gallery(境町・隈研吾)
境町の隈研吾コレクションの一つ。 s-labと並んでL字の狭小地に建てられました。狭い敷地に対して奥行き感のある複層的に仕上げられています。
研究開発施設S-Lab(境町・隈研吾)
S-galleryのL字のもう一辺となるのがこのS-lab。特産品開発施設として干し芋などを使った新たな特産品を開発しています。
モンテネグロ会館(境町・隈研吾)
アルゼンチンとの友好の証として建てられた旧建物の改築。境町の茶農家が運営するカフェなどが入ります。
真壁伝承館(桜川市・設計組織ADH)
桜川市真壁地区の図書館、資料館、公共ホール。古い街並みを意識しつつ、新たな価値を真壁に与えた名作。