概要
「広沢新美術館」は茨城県筑西市(旧下館市)にあるテーマパーク「ヒロサワシティ」に新たに完成した美術館。ヒロサワシティはゴルフ場や菜園、農園、バーベキュー場などの屋外施設を中心とした総合レジャー施設で、レールパークには新幹線や蒸気機関車などの引退車両展示があります。広沢新美術館は2021年1月に正式オープンしています。母体となる廣澤精機製作所は金属プレス加工やプラスチック成形加工を主力とするメーカーで茨城を中心に複数の工場を有しています。
設計
建築の設計は隈研吾建築都市設計事務所。茨城県内では境町を中心に作品数を伸ばしており、「県南総合防災センター」(取手)、丸山海苔店(つくば)、特産品研究開発施設「S-Lab」(境町)、シュクサンポウ美術館「S-gallerry」(境町)、「モンテネグロ会館」(境町)、「さかい河岸レストラン茶蔵」(境町)に次いで本美術館が開館しました。「石」の建築では栃木県の「那須芦野・石の美術館STONEPLAZA」、「ちょっ蔵広場」などがあります。地元の芦野石や大谷石を素材とした建築。庭園などと一体となったなっ美術館・博物館建築では「明治神宮ミュージアム」(東京)、「根津美術館」(東京)などがあります。
"隈研吾"明治神宮ミュージアム 神々が宿る杜の高さを超えないように納められたシャープさと透過性を持つ意匠
建築の概要
建築のテーマは「石」。全国から集めた1500個の自然石を使用しています。三角形の頂点を辺ごとに引き伸ばしたような平面形で、展示空間は三角形の一筆書きの動線で明快なプランとなっています。外部は三角形の外側に天然石を積み上げた石積みの姿を見せ、開口部のみが外部と接しています。建築周囲は枯山水風の庭園で石が多用されており、主役は庭で石積み建築も庭園の景観要素となっています。そういう意味では、石を積み上げて建築自体が石に覆われている外観は、隈研吾氏が2000年代初頭に見せていた作風「消える建築」に通じるものがあります。
アクセス・開館
常磐道谷和原IC、北関東道桜川筑西IC、圏央道常総ICなどから一般道を利用。公共交通機関ではJR下館駅よりタクシーで約10分。
開館時間は10時〜16時30分(最終入場16時)。入場料1,000円(一般)