概要
道の駅「グランテラス筑西」は茨城県筑西市に2019年7月11日(木)12時にオープンしました。
この道の駅のオープンを含め茨城県内では数年以内に完成を目指す4つの新・道の駅(龍ヶ崎、常総、笠間)が計画中。その第一弾がこの「グランテラス筑西」です。県内の新設の道の駅では2015年にオープンした「かわプラザ常陸大宮」以来となります。このほか茨城県境町の「道の駅さかい」には国立競技場を設計した建築家・隈研吾さんの「茶蔵」が4月にオープンし話題を集めています。
オフィシャルキャッチコピーは「ハイブリッド道の駅」。多様な店舗展開やスペースなど複合的な施設の充実や多分野交流などを企図しているのでしょうか。
グランテラス筑西は筑西市内の国道50号バイパス(西行き左手)に面し、田園風景が広がる筑波山も望めるビューポイントです。
茨城の道の駅は北関東(群馬、栃木)の中では数が少なく、立地的に県北や県西、鹿行(県南東)に集中。「筑西」は県の中央部でまさに「道の駅空白地域」といえるエリアでした。国道50号沿いでみると栃木県内には「思川」、「みかも」がありますが、いずれも集客性があり成功している道の駅だと思います。
「筑波山」エリアでみても「道の駅 下妻」が筑波山西側にあるくらいで他には道の駅がありません。
このような中オープンした「道の駅 グランテラス筑西」は地元の「農」を中心としたコンテンツに加え「フードコート」や「スタバ」、「ローソン」などメジャーな店舗が充実しているため、非常に注目されている道の駅です。
テナント
道の駅のメインテーマは筑西の「農」で、道の駅に欠かせない「農産物直売所」に加え、地場農産品を使った加工品、工芸品などの販売にも力を注ぎます。
数あるテナントで話題となっているのが「スターバックスコーヒー」です。スタバ自体は全国に1,400店舗以上あるため、決して目新しいものではありませんが道の駅への出店ということでは全国初。
県内では守谷SAや友部SAなどサービスエリアではかなり見かけるようになりましたが、意外にも道の駅は初だったということですね。「道の駅×スターバックスコーヒー」というコラボレーションはオープン後にさらに話題になりそうですね。
道の駅は全体としてはコンテンツを重視しているためリーズナブルな造りとも言えますが、スタバに関しては旗艦店並みのグレード感があると思います。黒を基調としたフレームにガラスを多用した開口部、内外ともに明るめのウッドパネルを組合わせています。周囲の植栽も十分にレイアウトされ、緑がガラスを透過したり、映し出したりと内外の景観をより豊かに仕上げています。都心部の方には馴染みがないかもしれませんが、郊外型のスタバには「ドライブスルー」があり、この道の駅にももちろん併設されています。
フードコートには地元茨城の和食レストラン「すぎのや」の系列店が入ります。茨城を中心に40ほどの店舗数を持ち、最近では「茨城空港」に出店するなどブランド力の向上に力を入れています。当駅では「レストラン雅」として出店。加えてリーズナブルに常陸秋そばを提供する蕎麦専門店「そば元本舗」も合わせて出店。
同じくフードコートには茨城を中心に展開しているラーメン「壱番亭」の系列店が入居。新形態の系列店「らーめん桜」がオープン。「下館ラーメン」が売り。
できたて惣菜「筑西ダイニング」は物販店の中に出店。地元の食材をふんだんに使った惣菜店です。
物販店は定番の野菜類に加え、精肉や肉を使った加工食品が多く、菓子類や酒類も豊富で地元の名産が並びます。豊富な品揃えと地場の食材を多く並べた店内はデパートのような印象。
コンビニは「ローソン」が入店。物販店などの営業面の保全(客の多くがコンビニに流れるのを防ぐ)のためか、全国的にも道の駅には意外とコンビニは少ないです。24H営業のコンビニのオープンでかなり実用的な道の駅になりますね。
ローソンと隣り会って「なごみキッチンひまわり」もオープン。地元下館のソーセージを使ったホットドッグやかき氷、ポテトなどを提供。
地元筑西に店を構えるクランチチョコの専門店「ブロマージェ」。カラフルでフルーツや野菜などを使った新感覚のチョコレートです。
「ファームズジェラート&パストリー」はジェラートの専門店。地元の食材を使ったジェラートを販売。
"2021年9月16日(木)オープン"「道の駅 かさま」栗と陶芸の街「笠間」に誕生する新たなゲートウェイ
注目のパン工房としてオープンしたのが「ベーカリーズキッチン オハナ」。埼玉県本庄の人気店で二子玉川や「道の駅はなぞの」にも店舗を持っているようです。早くもこの道の駅一番の注目点となっており、入場規制が取られるほどの混雑を見せています。
そしてグランテラス筑西のコンセプトの一つでもある「農」を取り込んだフードアクティビティが「手ぶらでバーベキュー ベジQ」です。
敷地内の菜園で育った野菜を自ら手採り、その場でバーベキューの材料として使える新形態。コースにより食材を選ぶことも出来ますが、食材を持ち込むことも出来るようです。
最新型の高速道路サービスエリアのようなフードコートや物販店のレイアウトは道の駅では新鮮で、加えてスタバやコンビニを入店させることで利用者の安心感を与えています。
ベジQのような新たな施設も一日中遊べるコンテンツで、道の駅が「立ち寄り型」から「滞在型」にシフトしてきいる片鱗が見てとれますね。
滞在型ということでは積水ハウスとマリオットグループが道の駅併設型ホテル「Trip Base 道の駅プロジェクト」を計画中で、近場では栃木の「宇都宮ろまんちっく村」、「もてぎ」などに展開されることが発表されています。
また、同じく栃木の「元気あっぷむら」ではグランピングなどを整備したうえで「滞在型道の駅」へコンバージョンされます。
建物の設計と特徴
建物の設計は三橋設計JV。福祉施設を得意とする設計事務所で茨城県内にも多くの実績を持っています。本体の施工は株木建設JVが担当。茨城県最大手のゼネコン。
敷地の広さを十分に活用し、複数の建物群を大きなデッキにより接続しています。雨や夏場にも安心して外部に出ることができます。
営業時間
(2019.6.26)筑西市は「7月11日12時オープン」しました。営業時間は9時〜19時(9月以降は18時まで)
2019.6現在の工事状況ではもう少し時間がかかるかと思っていましたが、夏休み前にオープンを迎えられました。茨城県西部に新たな交流・遊びのスポットが生まれ同地域の発展に繋がることを期待したいです。
筑西市ではこれに合わせ下館駅との往復便「道の駅循環バス」を7月1日から試験運転すると公表しておりアクセス面での強化も図っています。(7月15日までは混雑緩和のため道の駅には停まりません)
グランテラス筑西
住所 〒308-0801 茨城県筑西市川澄1850
国道50号下館バイパス