ボーリン・シウィンスキー・ジャクソン+KAJIMA DESIGN「Apple Store GINZA」海外建築設計事務所とゼネコン設計部による MacBookのような筐体建築

ボーリン・シウィンスキー・ジャクソン+KAJIMA DESIGN「Apple Store GINZA」海外建築設計事務所とゼネコン設計部による MacBookのような筐体建築

2021年4月17日
建築

概要

「Apple Store GINZA」は東京都中央区銀座にあるアップルの直営店。アップル直営店は東京に5店舗、川崎、大阪、京都、名古屋、福岡にそれぞれ1店舗と全国に10店舗あり、銀座店は2003年に開設された国内第1号店舗としての歴史を持っています。

設計

建物の基本設計は米の建築設計事務所「Bohlin Cywinski Jackson(ボーリン・シウィンスキー・ジャクソン)」(以下、「BCJ」)が手掛けています。BCJはApple表参道の設計も手掛けているほか、世界中のApple STOREの設計で知られています。ニューヨーク5番街のアップルストアは店舗が地下にあることを逆手に、地上部にAppleのロゴがプリントされたガラスボックスだけを「置いた」シンプルな発想によりデザインされ、Appleの世界観と一致したセンスを垣間見ることができます。Apple物件のほか、マイクロソフト創業者「ビルゲイツ」の自宅なども受注するなど、IT大手や企業案件を数多く手がけていることからも、企業姿勢等を的確に反映した設計理念が評価されていると捉えることができます。

銀座は表参道と並び「建築家のショールーム」として「ルイヴィトン銀座並木店」、「ルイヴィトン銀座松屋店」、「ミキモト」、「ミキモト2」、「UNIQLO TOKYO」など数々のブランド旗艦店が軒を並べるほか、商業施設としても「GINZA PLACE」、「東急プラザ銀座」、「松屋銀座」など多様な建築タイプが林立しています。このような中、固有の建築家に依らない、米の組織設計事務所の作品は異色の存在と言えるかもしれません。

共同(実施)設計は鹿島建設の設計部門「KAJIMA DESIGN」。設計は設計事務所、施工はゼネコンという分業スタイルが一般的ですが、国内の大手ゼネコンには社内に設計部を古くから有しており、民間事業を中心にビルや商業施設、タワーマンション、研究施設、工場など多くの作品を残すなど、KAJIMA DESIGNは高い施工技術に裏打ちされた設計組織を持ち合わせています。鹿島建設(KAJIMA DESIGN)は三菱電機やCANON、資生堂、イオン、アステラス製薬、中外製薬などの大企業建築を多数手掛けており、近年では八海醸造「魚沼の里」にある「八海山雪室」、「猿倉山ビール醸造所」など多様な物件の設計・施工を手掛けています。

"雪の日本酒冷蔵庫"八海山雪室

概要 八海山雪室は新潟県魚沼市にある八海醸造「魚沼の里」内にある日本酒や焼酎のた…
iskaa.net

"八海醸造"猿倉山ビール醸造所

概要 猿倉山ビール醸造所は新潟県魚沼市にある、日本酒「八海山」で有名な八海醸造が…
iskaa.net

 

建築の特徴

本建物は2003年にリニューアルによりアップルストアとして生まれ変わりました。この時点で築37年が経過しており2021年現在で55年が経過していることになります。地上8階建てのビルディングは低層部(3階まで)はステンレスパネル、高層部(4階以上)をガラスカーテンウォールとした2層構成となっています。金属の筐体とモニターパネルを意識した外装はMacBookに通じるようなデザインでAppleの持つ世界観と一致した外観となっています。銀座エリアはファッションや貴金属ブランドの旗艦店が立ち並び、ブランドの発信拠点としてデザインを競い合う姿が見て取れますが、その中にあってもシンプルで素材感が際立つアップル銀座はインダストリアルな印象が感じられるファサードとなっています。

下部はステンレス製パネルとしエントランスをガラス張り、上部はガラスカーテンウォールにより既存フレームから持ち出している。ステンレスパネルに刻印された「Appleロゴ」はMacBookのバックパネルを想出させる。
シンプルながらも洗練された外装。右はHUBLOT。そのさらに右はロロピアーナ銀座。
かつてのMacBookのようにリンゴマークが光る
裏面のはパネルの目地割のみにより仕上げられており、表と裏の使い分けにセンスの良さが感じられる。MacBookのバックパネルのようなテクスチャー。