2021年オープン予定「道の駅まえばし(仮)」

2021年オープン予定「道の駅まえばし(仮)」

2020年10月28日
建築

概要

道の駅まえばし(仮称)は群馬県前橋市の関根町・田口町に新設する道の駅で、2021年中のオープンを目指しています。

建設予定地付近。手前から奥に延びる新設道路が上武道路(国道17号バイパス)。田畑が広がるエリアで後方には赤城山が控える

既存の道の駅と新たな道の駅

前橋市内にある既存の道の駅は「道の駅 ぐりーんふらわー牧場・大胡 」、「道の駅 赤城の恵」、「道の駅 ふじみ」と既に3施設があります。同一市に道の駅が3つある自治体は全国でも珍しく、車社会を色濃く反映していると言えます。一方で市内を通る国道17号線沿いには一箇所も道の駅が無いという背景もありました。

市が平成30年度に取りまとめた基本計画によれば、道の駅登録基本3要件である「休憩機能」、「情報発信機能」、「地域連携機能」に加えて「道路利用者の利便性向上」、「安全性確保」、「災害時の防災拠点」、「地域活性化」を備える「総合力の高い道の駅」づくりを目指しています。この中でも前橋の最大の強みである「ここにしかない食」と「こだわりの農業」に力点をおいて地域活性化を図ろうという計画です。

「道の駅 ぐりーんふらわー牧場・大胡 」は国道353号線沿いにある牧場を道の駅とした施設でオランダ式の風車がランドマークとなっています。牧場自体をレジャーとして乳製品を使用したソフトクリームなどのメニューが定番となっています。キャンプ場も備えていて、自然体験型の道の駅です。

「道の駅 赤城の恵」は日帰り温泉施設「前橋荻窪温泉あいのやまの湯」を核とし、農産品販売所を併設した道の駅です。「道の駅 ふじみ」も日帰り温泉施設「富士見温泉みはらしの湯ふれあい館」を有する道の駅で、深さ1,500mから汲みあげる温泉は関東では珍しく温度が52度あり、本格的な泉質は道の駅というよりは「温泉」施設そのもの。

前橋の道の駅は「温泉」、「温泉」、「牧場」と他県からみれば羨ましい、一方で偏ったラインナップであるとも言えるかもしれません。

市は道の駅のコンセプトとして、「前橋のタウンリノベーションの核となるモノ×コト×ヒトの結節点としての新しい道の駅」、「平日・休日問わず日常的に賑わう道の駅を達成」の2つを柱として道の駅づくりを目指しています。

「道の駅まえばし」の姿とは

敷地は「赤城と市街をつなぐ前橋の新たな玄関」として、赤城山の広い裾野に位置し、国道17号バイパスという交通量を活かし県内外からの誘客が期待できる場所を選定しました。

計画施設には全天候型の大屋根(ROOF)を架け、その下に箱型の建築物(BOX)をランダムに配置、光を通しながら屋内大空間をつくる壁(WALL)による組み合わせによって、屋根のある半屋外空間の中には表情が異なる様々は店舗や機能が散らばりながらも結びつき、訪れる人々を迎えます。

大屋根は災害時の臨時防災拠点となり、平時はイベントスペースとして活用できる空間。

施設は敷地と赤城山を結ぶ軸を意識した配置としています。駅はヒトやモノの中継点として、様々な季節、時間で異なる表情を創り出し、それぞれの場の記憶として刻まれます。

近年の道の駅にありがちな物産店舗のみに注力し、駅としての本質から乖離した姿ではなく、魅力のある場を提供とコンテンツを提供していく姿を目標にしています。

「道の駅まえばし」は整備する施設として、駐車場、トイレ、観光案内所、情報発信施設、物産販売所、セレクトショップ、加工施設、農畜産物販売所、地産レストラン、福祉ショップ、芝生広場、多目的施設、ラウンジ、BBQ、屋外ステージ、カフェ、サイクルステーション、温室、温浴施設、休憩スペース、24時間営業店舗、ガソリンスタンド、生鮮食品販売所などあらゆるコンテンツを内包した滞在型かつ総合力の高い道の駅と言えると思います。

PFI形式による整備と道の駅のコンテンツ

本事業はヤマト・OCOGグループによる「道の駅版PFI」により整備されることとなりました。PFIとはprimitive finance initiativeの略で「民間資金を活用した公的施設整備および運営」のことを言います。

道の駅の一般的なこれまでの整備は所管する自治体が主導し、基本計画、基本設計、実施設計、工事、運営と各フェーズごとに企画・入札を行いながら、様々な業者が分業的に実施して行きます。建物などの不動産も自治体の保有で運営のみ指定管理者(民間)などに委託する方式です。

一方の道の駅版PFIは設計や建設から民間資金を活用・運営も含めたトータルでの整備運営方式です。当道の駅では全体をPFIグループによる整備としつつ、トイレや情報発信機能など道の駅登録要件に必要な公的な整備や運営費のみ自治体が負担する仕組みです。

大型施設の整備・運営には多額のコストがかかりますが、民間視点での効率的な運営方針のもと、整備・運営を行なっていくこで初期コストを抑制するとともに柔軟な運営や活動にも期待できます。

PFI受諾法人の代表会社の「ヤマト」は地元前橋にある東証一部上場企業で、空気調和衛生設備工事を得意とするゼネラルコンストラクター。「オリエンタルコンサルタンツ」は土木・インフラ・環境の大手総合コンサルタントで近年、道の駅のプロジェクトに積極的に参加。「オリエンタル群馬」はその子会社で公共施設全般の管理・運営を担います。今回「ロードステーション前橋上武」を設立し設計から施工・管理・運営までを一貫して行なって行きます。

今後の予定

基本計画では2021年7月のオープン予定となっています。