軽井沢大賀ホール

概要

長野県軽井沢町にある音楽ホール。ソニーの元会長でもあった「大賀典雄」が自身の退職金を全額寄付して建設が実現。軽井沢には本格的な音楽ホールがなかったことから音楽家であり世界を代表するメーカーで音響デバイス・メディア開発に関わってきた氏が「高性能な音楽の器を軽井沢に提供」した形。

大賀氏はCD(コンパクトディスク)やMD(ミニディスク)などデジタル規格の開発や「SONY」のロゴをブランド化させた実績などを持っています。

敷地は軽井沢駅すぐそばの北東にある矢ケ崎公園。矢ケ崎池を中心に自然豊かな公園です。

大ホールの席数は784。小規模演奏会にも対応できる小ホールも複数あります。

設計

設計から建設までを一貫して鹿島が担当。鹿島はソニーの工場などを中心に物件の多くを手がけています。

建築の特徴

軽井沢の中心エリアかつ公園内という土地柄、敷地の自然景観に特に配慮した設計が求められています。軽井沢の建築規制、景観条例は国内でも最も厳しいエリアの一つと言われており、軽井沢駅北口から北側を眺めると高い建物がほとんどないことに気づかされます。

景観的な要素に加えて、冬季はマイナス二桁になること、夏の期間の工事規制や商業施設の夜間の営業禁止などの運用面での厳しさもあり、軽井沢で建物を建てることは他の都市とは違った難しさを孕んでいます。

「音楽ホール」は建築設計の中でも難しい部類に入るとされています。ホールそのもののカタチが音響に直結することはもちろん、大勢の観客の動線をいかに上手く処理するかなど多面的なプログラムを解決しなくてはなりません。

このようなエリアの中心部に立地することからも、建物のデザインは極力ボリューム感を抑えつつ、周辺環境とのマッチングが図られています。

五角形のホールには勾配屋根が掛けられています。五角形という形状は音響的にどの席にいても均質な音響を届けられ、距離的にも演者の動きや表現も見やすい空間を実現できます。

前面道路側の立面。屋根の傾斜も必須条件。
ホールのボリュームが過大とならないよう道路から極力後退している。形状も矢ケ崎池を挟んだ景観も意識されている。低層部も池に向かって屋根が傾斜している。