長野県佐久穂町”新”道の駅計画

長野県佐久穂町”新”道の駅計画

2020年10月21日

概要

佐久穂町は長野県佐久市と山梨県北杜市を結ぶ中間地点にあり、南西には八ヶ岳連峰が控え、長野県茅野市の蓼科高原を結ぶ国道299線は天空のドライブコースとしても有名。標高2100メートルを超える車窓から眺める景色は壮大で、同国道沿いに広がる八千穂高原は自然が色濃く残り、紅葉期などは多くの観光客が訪れています。

北杜市と結ぶ国道141号線を南下すれば野辺山高原や清里などの観光エリアがあります。その入口となるエリアに町が新たな道の駅を計画中、となります。

建設予定地。八千穂高原ICから至近距離にある。

中部横断自動車道と道の駅の関係

中部横断自動車道は上信越道の佐久北ICと中央道経由して東名高速道路の新清水JCTを結ぶ138kmの新たな自動車道です。地図上は縦に走っていますが、日本地図を「横切る」ことから「横断道」と名付けられています。

現時点では全線のうち半分程度の開通。上信越側からは佐久小諸JCTから分岐して八千穂高原ICまでの間約23kmが開通しています。その先となる八千穂高原ICと中央道の長坂JCTまでの着工は未定となっており、事実上、八千穂高原ICが上信越道分岐側からの終点と言え、今後も長期間その状態が続くものと見られています。

中部横断自動車道の計画図。地図上は本州を「縦断」するが、本州の形は「横断」している。赤の実戦が開通区間。点線は未着工区間。
横断的みた図。山深いエリアであることがよく分かる。区間の多くがトンネルとなる。

道の駅の基本計画を策定中

町は2019年度に道の駅計画の基礎となる「基本計画」の策定を進めています。設置の目的としては平成30年に開通した中部横断道(〜八千穂高原IC)が現時点で無料区間として運用している「一般道」でもあり、この状態が長らく続くことから、「サービスエリア」のような休憩機能施設として整備したい、としています。具体的なコンテンツ作りはこれからですが、通過点としての利便性と地域振興を主軸とした施設づくりを目指したいとしています。

道の駅登録のための基本3機能である「休憩機能」、「情報発信機能」、「地域連携機能」に加えどのような機能を付加するかが道の駅を特徴付けることになります。近隣の事例なども調査しつつ、どのようなコンテンツが佐久穂の強みとなるのかを検討していくことになるのではないでしょうか。

今後の検討段階で比較となるのは2017年にオープンした「ヘルシーテラス佐久南」です。予定地から15kmほどの場所にあり、同じ中部横断道の佐久南IC隣接。「健康長寿の街 佐久」をテーマに信州の地産地消で旬の食材の販売や料理などを提供しています。レストランや軽食コーナーに加えて料理教室などにも対応したスペースを設け、地元のコミュニティにも貢献しています。

食事処では信州産の地粉を使用した生そばや信州ハーブ鳥、信州米豚を使用したメニューもあり手軽に地元信州の素材を味わうことができます。

交流広場やふれあい広場は遊具なども充実し、公園のようなスペースもあり家族連れにも人気の道の駅となっています。佐久穂の道の駅では参考としつつ、差別化を図りながら佐久穂の伝統やオリジナルのブランドづくりに期待したいです。

八千穂高原の最上部となる野麦峠から佐久穂の街を眺める。標高2,000mを超えるスカイドライビング。八千穂高原エリアの観光案内拠点としての期待もかかる。

今後のスケジュール

町では基本計画を策定してから2〜3年程度の間に開設したいという意向を持っています。基本計画はパプリックコメントなどを反映しながら基本設計、実施設計そして工事へと進んでいきます。並行して運営方式の検討、指定管理者選定、道の駅登録など、設置に向けて盛り沢山の仕事となります。

短期集中で進めていくものと思われますが、2019年の台風による復旧事業など想定外の対応が続いていることもあり、優先度を見極めながらの進捗になるものと思われます。いずれにしても、道の駅の計画で立地が確保出来ているのは最大の利点だと思います。