山中湖”新”道の駅計画

山中湖”新”道の駅計画

2020年10月20日

概要

山中湖は山梨県山中湖村にある富士五湖最大の湖で富士山を背景とする雄大で季節感溢れる景色から、年間を通して多くの観光客が訪れています。東京から最短1時間40分程度でアクセスすることができ、富士周辺の様々なスポットを周遊的に楽しめることから、大変人気のエリアです。

湖の標高も980mと高く、夏は涼しく冬季も気温が下がり、浅い水深から湖に氷が張ることも少なくありません。そのような気候の特徴や壮大で自然豊かな場所から別荘地として80年近い歴史を持っています。

この山中湖には道路交通の中心となる「旭ヶ丘交差点」があります。静岡県御殿場方面から国道138号線で北上し、籠坂峠を超え山中湖に突き当たる最初の交差点で、山林から湖の姿が一気に開けるこの場所は、山中湖のビューポイントの一つであると同時に山中湖と富士五湖の主要エントランスであり続けています。その場所に新たな「道の駅」の開設が検討されています。

富士五湖周辺には「道の駅 富士吉田」、「道の駅 かつやま」、「道の駅 なるさわ」などがありますが、山中湖は空白地帯となっており、道の駅の開設が望まれていました。

富士山をバックとした湖の姿は多くの写真家の聖地としても知られている。時期、時間、天気などにより様々な表情を見せる富士

道の駅候補地「旭ヶ丘」とは

道の駅の候補地は「旭ヶ丘」。交差点の角部分に計画されています。この場所は現在「森の駅」としてショップがあり、民間版の道の駅のようなスタイルで運営されています。運営者のPICAは富士五湖を中心としてキャンプ場などのアウトドアフィールドを中心とした宿泊事業などを数多く手掛け「PICA山中湖」、「PICA富士五湖」などで知られています。国道138号線の「道の駅 すばしり」の指定管理者も務めています。

 

道の駅計画地周辺。右上方向は御殿場方面。右下方向は河口湖方向。左上は道志村へと繋がる。

「山中湖村における新たな道の駅整備による観光拠点形成のための基盤整備検討調査」に採択

平成30年度国土交通省「官民連携基盤整備推進調査事業」において「山中湖村における新たな道の駅整備による観光拠点形成のための基盤整備検討調査」として調査費の支援が決定しています。

本調査は観光産業の振興による地域活性化を理念とし、都心から至近距離という立地を活かしつつ、広域的な観光拠点、地域コミュニティの発展などを目的とした道の駅の整備に取り組むための調査として位置づけられてらいます。

本資料によれば、道の駅登録のための基本3機能である「休憩機能」、「情報発信機能」、「地域連携機能」の新たに整備することに加え、数多くの旅行者を受け入れる駐車場の整備を必要としています。

敷地は「文学の森公園」に隣接しています。「三島由紀夫文学館」をはじめとして山中湖にゆかりがあり、ジャーナリストとして活躍「徳富蘇峰館」など文学に親しみながら山中湖と森の中でリラックスできる自然豊かな公園です。

山中湖新道の駅は「森の駅から道の駅へのコンバージョン」、「文学の森公園との親和性」、「駐車場の整備」を基本としつつ、周辺ホテルの新設などは民間レベルでの取り組みも引き込んでいこうという計画です。

 

道の駅候補地である森の駅から国道138号線を挟んだエリアが駐車場計画地となる。国道を挟むため有効な横断通路が必要とされるが、山中湖な景色を遮らない工夫が必要となる。 森の駅の西側が文学の森公園。

今後の方向性

道の駅の設置は自治体が主導することが定石となっています。平成30年度の調査をベースとして、山中湖村を中心とした道の駅設置の検討が進んでいくものと考えられます。