概要
横浜赤レンガ倉庫パークは2002年に横浜市みなとみらいにオープン。1989年まで新港埠頭の倉庫として稼働してきましたが、貨物が倉庫の不要なコンテナに代わり、その役割を終えました。その後、みなとみらい開発計画の中心施設として、創建時の倉庫の姿を極力残し、復元し商業テナント、文化施設としてリノベーションを図りました。
2000年代になり、全国的に文化的価値の高い建物を商業施設などとして再利用する風潮が進んでいきましたが、この赤レンガ倉庫の再生が果たした役割は大きかったと言えます。
新港埠頭と赤レンガ倉庫の歴史
赤レンガ倉庫のある新港ふ頭は開港後、貿易の中心としての機能を備えるべく次々に埠頭を整備、1911年、1913年には大蔵省の保税倉庫として赤レンガ倉庫(2号、1号)が整備され、1917年にベースとなる新港埠頭が完成しました。直後の1923年には関東大震災に見舞われ、港湾施設も大きな被害を受けました。赤レンガ倉庫はレンガ積みが地震に対する強さを見せながらも1号館は半壊、1930年まで復旧や耐震化工事を行い再稼働しました。1号館が2号館と比べて短いのは復旧時に半分にしたためです。戦後はGHQに接収され、約10年後に返還され1989年まで稼働し続けました。
その後は解体も計画されましたが、横浜市が買い取り、みなとみらいの開発の顔として保存・再生を図ることを決定しました。
当初の設計と保存修復設計
当初の赤レンガ倉庫の設計は妻木頼黄(つまきよりなか)明治期を代表する建築家で近代建築に大きな影響を残した一人。大蔵省営繕で活躍し、馬車道の横浜正金銀行(神奈川県立歴史博物館)などを手掛け、国会議事堂の設計にも関わりました。
改修保存設計は新井千秋都市建築は設計が担当。大船渡市民文化会館、由利本荘市文化会館などモニュメンタルな公共施設を多数手掛けている建築家です。改修施工は竹中工務店により行われました。
復元とリノベーション
保全改修に重要な手掛かりとなる創建時の図面がほとんど残されていなかったことから、既存の徹底した実測や組成調査を行いました。窓枠や扉などは極力再利用を図りました。商業施設とするには防火区画などが必要になりますが、なるべく既存の状態を可視化するため、耐火ガラスを使用し内外の透明度を維持しました。
飲食店舗一覧・営業時間(2020.11現在)
<2号館レストラン・カフェ>
レストランは3階、1階にあります。3階は混雑する赤レンガ倉庫の中でもやや落ち着いた空間。1階は外部テラスに面し赤レンガの内外空間を楽しめるレストラン、豊富な看板が並ぶピクニックコートにあるレストラン、などシーンに応じて使い分けられるほど豊富なレストラン・カフェラインナップとなっています。有名店としては1Fの「bills」。「世界一の卵料理」と称されたスクランブルエッグやリコッタパンケーキが有名でオーストラリアテイストのレストラン。3Fの「chano-ma」は「おもてなしの心を添えた和みの空間」をコンセプトとしたカフェレストラン。靴を脱いで寛げるスペースが人気を博しています。1Fの「GRANNY SMITH APPLE PIE & COFFEE」は世田谷のアップルパイの名店が赤レンガ倉庫に出店しました。
3F | TUNE Balcony, Dining & Bar | 11:00~22:00 |
3F | Motion Blue yokohama | <月~金>18:00~22:30 <土・日・祝>15:00~21:30 |
3F | FISHERMAN’S MARKET |
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3F | chano-ma |
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1F | BUTCHER REPUBLIC CHICAGO PIZZA&BEER |
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1F | bills |
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1F | Café & Rotisserie LA COCORICO |
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1F | Hawaiian waffle Merengue |
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1F | GRANNY SMITH APPLE PIE & COFFEE |
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1F | YOKOHAMA BASHAMICHI ICE |
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1F | KUA ‘AINA |
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1F | 横濱たちばな亭 |
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1F | nana’s green tea |
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1F | 野毛ヤマヤ鮮魚店 |
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1F | BREIZH Café EXPRESS |
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1F | 崎陽軒 横浜赤レンガ倉庫店 |
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アクセス
車の場合は首都高横羽線線みなとみらいランプより約2km。駐車場料金は500円/1時間。店舗利用の場合、3,000円以上で1時間無料(税込)。複数店舗でそれぞれの支払いが3,000円以上であれば、個々に計上できるのでA店3,000円、B店3,000円であれば1+1時間で2時間無料となります。戦略的にお買い物、飲食をすれば長時間の無料化も可能。
電車の場合は、みなとみらい線「日本大通り駅」、「馬車道駅」から徒歩約6分。JR桜木町駅からは徒歩約15分。
バスは発着点に応じて「BAYSIDE BLUE」、「あかいくつ」が経由します。