歴史と現代の港の”最先端”横浜ハンマーヘッド

歴史と現代の港の”最先端”横浜ハンマーヘッド

2020年11月4日

概要

横浜ハンマーヘッドは2019年に横浜市みなとみらいにオープン。2010年まで新ふ埠頭8,9号岸壁の客船ターミナルとして稼働してきましたが、岸壁の老朽化にくわえ、横浜港における超大型クルーズ船の受け入れが大さん橋に限られていることから、既存の新港埠頭を元の延長220m、水深7.5mから延長340m、水深9.5mとして拡大を図りました。客船ターミナルとして「CIQ」施設を備えるとともに、上階にホテル、下階に商業施設が入る複合施設として完成しました。

朝日を浴び始める横浜ハンマーヘッド。パシフィコ横浜方面から望む

新港埠頭の歴史と岸壁工事

新港ふ頭は開港後、大型船を受け入れる岸壁として1905年から順次拡大され、1911年、1913年には赤レンガ倉庫(2号、1号)が整備され、1917年にベースとなる新港埠頭が完成しました。直後の1923年には関東大震災に見舞われ、港湾施設も大きな被害を受けました。

ハンマーヘッドは大さん橋に次ぐ国際ターミナルとして、また「岸壁」の上にあるの海上複合施設として強固な岸壁とすることが求められました。

水深を7.5mから9.5mにすることは船底の深い大型船の停泊に対応するものですが、海底を掘り下げるには浚渫(しゅんせつ)という海底を掘削する特殊な大型機械が必要で、埠頭の岸壁も関東大震災の被害から多くのコンクリートがらやレンガによって埋め戻されていました。

設計・施工

建築設計は梓設計。国内の大手総合建築設計事務所で国立競技場の設計JVとして知られています。近隣エリアでは「横浜ワールドポーターズ」を設計。空港施設やスポーツ施設を得意としており、羽田や成田を初めとして全国的に多数の空港の設計を手がけています。空港施設は場所柄、海浜地区にあることが多く、本施設もその延長にあるものと位置付けられます。

施工は五洋建設。いわゆる「マリコン」と言われる海上土木に非常に強いゼネコンで、国内外の大規模港湾や空港などを数多く手掛けています。

建築の特徴

本施設の最大の特徴は岸壁の上に建てられており、3方が海に囲われ、あたかも海上にいるかのような感覚さえ感じます。その立地から向きによるデメリットがなく、全方位的な立面を作り出しています。

近隣のホテルと比較して低層に抑えられていることは、大型船を主役として捉えていることやインターコンチネンタルを含む背景とのバランスを考慮しているのではないかと思います。

建物は3階のホテルフロアから上は「ロ」の字型として主に外周に客室を設け、内部は中庭として設えることで「外周の港」と「内部の庭」の2面性を持たせることで、場所によって異なるシーン提供する贅沢な造りとなっています。「ロ」の字型にすることによって、外に面する外壁の面積が増えるため、一般的にコストがかかることから避ける傾向にありますが、ウォータートップ・ラグジュアリーホテルとしてのホスピタリティを重視した結果だと思います。

インターコンチネンタルPIER8のエントランス
ハンマーヘッドは高さが抑えられおり、客船の方が頭がでることもある。
海に突き出したハンマーヘッド側の立面

インターコンチネンタルヨコハマPier8

3階から5階には「横浜グランドインターコンチネンタルホテル」が運営する「InterContinental Yokohama Pier 8」がオープン。

横浜でインターコンチネンタルホテルと言えば、みなとみらいの創成期であった1991年から三日月型の白いホテルとして、みなとみらいの顔として存在してきました。30年が経とうとしている今、新たにウォーターフロントに誕生したホテルと絶妙な距離感の中で横浜のシーンを作り出していくでしょう。

埠頭に張り出したホテルとしては国内では神戸の「メリケンパークホテル」が有名ですが、立地も限られるため希少性の高いホテルと言えます。

客室は計173室。スイートルームは各階のコーナーに12室あり、広さは81~133㎡。メインは45~46㎡のデラックスルームが94室あります。デラックスでも一般的なツインの2倍程度の広さがあるため、全室ハイグレードと言えます。

左にはみなとみらいの顔の一つである三日月型の「インターコンチネンタルホテル」、そして「もう一つの顔」が横浜に誕生した。

店舗・営業時間(2020.11現在)

ハンマーヘッドの1、2階には注目の飲食店が入居することでも話題となりました。

「QUAYS pacific grill」はクラフトビールの醸造、クラフトジンの蒸留、コーヒーの焙煎を店内で行い、出来たてのドリンクをこだわりのハンバーガーやフライドチキンなどとともに楽しめるグリルレストラン。醸造機械などが店内のインテリアとして映え、ハンマーヘッドの雰囲気とマッチするレストランです。

「茶寮 伊藤園 横浜」はおーいお茶で有名な伊藤園直営の茶寮 和カフェです。王道の抹茶を始めとして、抹茶ティラミスラテやオリジナル抹茶ソフトクリームなど、抹茶の深い味わいを活かしたスイーツを楽しめます。

ハングリータイガーは保土ヶ谷に本店を置く地元神奈川のハンバーグレストラン。炭火焼きに拘ったスタイルは約50年の歴史を持ちます。

1F・2F QUAYS pacific grill 月〜木 11:00~22:00 /金 11:00~23:00 /土 8:00〜23:00 (L.O.フード 22:00ドリンク22:30)/ 日・祝 8:00〜22:00 (L.O.フード 21:00ドリンク21:30)、
1F スターバックス コーヒー 平日 10:00~21:00、土日祝 8:00~22:00
1F 茶寮 伊藤園 横浜 11:00~20:00(L.O. 19:30)
1F THE ALLEY 11:00~20:00
1F JAPAN RAMEN FOOD HALL ラーメンコンプレックス、オーシャンバー 11:00~20:00(L.O. 19:30)
1F セブンイレブン 24 時間
2F アンティーカ ピッツェリア ダ ミケーレ横浜 11:00~22:00(L.O. 22:00)
2F 500kcal・ トリュフ ファーム 11:00~20:00(L.O. 19:00)
2F ハングリータイガー 11:00~22:00 (L.O. 21:00)
2F VANILLABEANS THE ROASTERY 11:00~20:00(L.O. 18:00)
2F Dining Bar XLV Bayside Motion 11:00~23:00(L.O. 22:00)
2F 鎌倉紅谷 Kurumicco Factory スイーツファクトリー、ショップ&カフェ  11:00~20:00(L.O. 19:00)
2F YOKOHAMA CARAMELLABO 11:00~20:00
2F ありあけハーバースタジオ 11:00~20:00
2F COLONIAL BEACH 日〜木 11:00~22:00 (L.O. 21:00) / 金・土・祝 11:00〜23:00 (L.O. 22:00)
2F ELOISE’s cafe 11:00~20:00(L.O. 19:00)
2F ピーターラビット™カフェ ブッフェ カフェ、クレープリー  11:00~20:00 (L.O. 19:00)
2F AINZ&TULPE BEAUTY FACTORY / The CAFE by goodspoon 11:00~20:00
2F Wonder Fruits 11:00~20:00
2F マリン FM 86.1MHz 11:00~22:00

アクセス

車の場合は首都高横羽線線みなとみらいランプより約1.5km。駐車場はハンマーベッドの先端と付け根に「タイムズ第1」と「タイムズ第2」があり、料金は平日280円/30分、休日330円/30分。店舗利用の場合、3,000円以上で1時間、5,000円以上で2時間無料(税込)

電車の場合は、みなとみらい線「馬車道駅」から徒歩約10分。「みなとみらい駅」から徒歩約12分。JR桜木町駅からは徒歩約15分。

バスは発着点に応じて「BAYSIDE BLUE」、「あかいくつ」、「ピアライン」がハンマーヘッドに経由します。

住所:横浜市中区新港2丁目14番1