概要
積水ハウスとマリオットグループの共同プロジェクト「Trip Base 道の駅プロジェクト」は全国の道の駅に隣接してロードサイド型のホテルを建設するプロジェクト。「栃木・日光」は日光霧降高原の麓に2021年3月22日のオープンに向けて準備中となっています。
プロジェクトのファーストステージとして2021年秋までに全国5県に15のホテルを既に誕生させました。このうち栃木県内には3つのホテルを展開、日光に誕生するホテルの名称は「フェアフィールド・バイ・マリオット栃木・日光」となります。

計画
ホテルのブランドはマリオットが運営する「フェアフィールド・バイ・マリオット」。国内初のブランド展開になることで話題となりました。建物の設計・施工は積水ハウスが担当。年間1万棟以上の建物を手掛け、総計2百万戸以上の建築戸数を誇る積水ハウスがホテルをプロデュースしています。建築としては賃貸アパート向け主力商品である「シャーメゾン」シリーズを基本としたモデルで、耐震性に優れた重量鉄骨を採用。規格の統一化による短工期が可能な形態で、共同住宅とホテルの高い互換性があるものと見られています。
建物は3階建、延床面積約3,400㎡で室数は91室。1室25㎡程度のツインルームとキングルームというラインナップとなり、ツインルームのベッドは幅120cmで2ベッド、キングルームは1ベッドで幅180cmと余裕のある大きさ。室の大きさはリゾートユースに近く広々とした使い方ができます。
既にオープンしたホテルとインテリアや設備面で共通とすれば、トイレとシャワールームが別の設計となっていますので、2人利用でも煩わしさはありません。一方、ユニットバスではなく「ユニットシャワー 」となっていますので、シャワーでサッと済ます方向けと言えます。洗面台は室内側にあって手洗いや歯磨きなど便利な面もあります。ホテルブランドがインポートということもあり、水洗にグローレ(GLOHE)が使用されるなど高級感のある設えも見て取れます。
プロジェクト唯一の単独型(非道の駅隣接型)ホテル
「Trip Base 道の駅プロジェクト」はその名のとおり既存の道の駅に隣接させ、道の駅を活用した旅の情報収集や飲食などで相乗効果を狙ったプロジェクトです。ファーストステージに開設するホテル15のうち、14は道の駅併設型となりますが、この「栃木・日光」だけは近隣に道の駅がない単独型のホテルとなります。
当初は「道の駅 日光」や「道の駅 湯西川」のいずれかの隣接地を計画していると考えられましたが、開発条件等で折り合う土地が見出せなかった、あるいは「栃木・日光」のサイトが道の駅がなくても勝負できるという目論見があったのどちかだと思われます。
当地は標高650mほどの高地にある別荘エリアということもあって夏は涼しく、秋は紅葉を見ることができ、冬でも奥日光ほど積雪が深くないなどオールシーズンで過ごしやすい環境にあります。



建設地はは日光市所野。JR・東武日光駅から北方に約1. 5kmに位置し、駅から車で最短約5分程度で、徒歩でも約25分程度の場所に位置します。日光の別荘地「霜降高原別荘地」(東武グループ)の入口付近にあり、豊かな日光の自然の中にありながら、同エリアの中では日光中心部に近い場所になります。
日光中心部に近いため、「日光東照宮」や「日光田母沢御用邸記念公園」など日光屈指の観光スポットの圏内であることはもちろん、霜降高原の入口付近という立地から霜降高原の「キスゲ平園地」、「大笹牧場」なども車やバス、サイクリングなどで廻れる距離にあります。道の駅に代わるような施設はありませんが、当プロジェクトの中においてもより観光拠点とリゾート環境に強みを持った立地と言えると思います。
他のフェアフィールドは道の駅併設という立地を活かして、食事の場を活用できるメリットがありますが、当地は別荘エリアのため、徒歩圏内にある飲食店の数が限られています。そういう中においても「グルマンズ和牛」、「山のレストラン」などの名店もあり、十分活用できると思います。一方、商店などが近くに無いため、夜間の時間帯などはあらかじめ食事を用意しておく必要があるかもしれません。フェアフィールドでは最小限のカップ麺などの軽食がホテル内で購入可能なほか、事前予約による朝食弁当も注文可能となっています。
日光中心エリアから「いろは坂」を登っていくと「奥日光」エリアが広がります。この拠点としても十分活用できると思います。奥日光と言えば「中禅寺湖畔」に「ザ・リッツカールトン・日光」が先行して2020年にオープンしています。

室の価格帯
既にオープンした「栃木・もてぎ」を例にとれば、2名1室1泊の価格は平日で12,000円(宿泊料)+2,520円(税・サービス)、休前日で16,000円(宿泊料)+3,360円(税・サービス)。会員料金で10%OFFとなります。食事込みのプランはなし。チェックイン15時-チェックアウト11時。
同系列の最上位ブランドとなるリッツ・カールトンに宿泊するよりもリーズナブルに過ごせますので、日光エリアに特化した観光や同じ県内にオープンした宇都宮、もてぎも含めた回遊滞在に向いていると思います。

2020年10月オープン "道の駅宇都宮ろまんちっく フェアフィールド・バイ・マリオット栃木宇都宮"
