“サイクリングホテル” 星野リゾートBEB5 土浦

“サイクリングホテル” 星野リゾートBEB5 土浦

2019年12月15日

概要

JR土浦駅(茨城県土浦市)の駅ビル「PLAY ATRE 土浦」に星野リゾートが運営する「BEB5 土浦」が2020年に誕生。「BEB5」は星野リゾートブランドの中ではリーズナブルな価格帯のホテルでシリーズ第一弾となる「BEB5軽井沢」を2019年にオープンさせています。

「”居酒屋”以上”旅”未満」をキャッチフレーズに時間制限のないカフェラウンジなど主に若者向けの設備や隠れ家風の作りによって、オープン以来多くの「一見さん」を受け入れています。BEB5の第一弾がオープンした軽井沢といえば「星のや」に代表される星野リゾート発祥の地であるわけですが、そのBEB5の第二弾が土浦駅に誕生しました。

プレイアトレ土浦"2019.4月、5月本格オープン"

2019.5全面オープン。 建物のコンテンツは? 地下1階 1階 2,3階 3階…
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ホテルの入るPLAY ATRE 土浦は先行してオープンし、斬新で人気の高い飲食店のラインナップで話題となりました。

星野リゾートはこれまで茨城とは縁が無い地でしたが、2019年に「平成31年度偕楽園・歴史館エリア観光魅力向上計画策定業務委託」として同社が茨城県から採択され、水戸の観光資源の魅力抽出などをとりまとめる事業者になっています。水戸エリアでの展開の足掛かりという憶測もありましたが、水戸(県北)に先駆けて土浦(県南)にオープンしました。

星野リゾート「偕楽園・歴史館エリア観光魅力向上計画」

茨城県は「平成31年度偕楽園・歴史館エリア観光魅力向上計画策定業務委託」として水…
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星野リゾートとBEB5

星野リゾートは国内を代表するリゾートホテルグループとして抜群の知名度で高い人気を誇っています。和のリゾート「星のや」は軽井沢を創業として沖縄の読谷村や竹富島、山梨県河口湖の「富士」、大手町には「東京」もオープンしています。

上位ブランドの星野リゾート「界」は国内の既存の著名なホテルをリノベーションして小室数で運営される和風旅館。

「リゾナーレ 」は「リゾナーレトマム 」や「リゾナーレ八ヶ岳」、「リゾナーレ熱海」といったリゾートホテルブランドで最近では「リゾナーレ那須」をオープンさせています。

"クライン ダイサム設計"リゾナーレ那須 POKOPOKO

概要 栃木県那須町に2019年オープンした「アグリツーリズモ」ホテル。旧二期倶楽…
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市街地のホテルとして「OMO」シリーズも展開、「旭川OMO7」など市の中心部といった利便性を高めた立地ながらも旅の新たな愉しみをテーマにしたホテルです。

星野リゾートOMO7旭川

概要 「星野リゾートOMO7旭川」は北海道旭川市にある星野リゾート運営のホテル。…
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そして「BEB」ブランドは「星のや軽井沢」に隣接して作られた廉価版の星野リゾートです。シングルやダブルといった既存概念から切り離し、室内2段ベッドの「やぐらルーム」など若者を意識しています。

BEB5土浦の設計

駅ビル全体の改装計画はJR東日本建築設計が取りまとめ、BEB5土浦の内装設計は佐々木達郎建築設計事務所が手掛けました。JR東日本設計はJRグループの建築設計事務所として、駅ビル「アトレ」などを始めとした駅前再開発、ホテルなど幅広い設計を行なっています。

佐々木事務所は星野リゾートでは同ブランドの「BEB5軽井沢」、「OMO5東京大塚」などの内装設計、またオフィスのデザインも数多く手掛けています。構造用合板など一般にも流通する建築材料を上手く棚などに利用しながらインテリアとしてまとめています。

BEB5土浦の特徴

土浦が軽井沢と比較して異なるのは、軽井沢は言わずと知れた「国内有数リゾート地」である一方、土浦は「一地方都市の駅ビル」であることです。

狙いとしては、都心から特急利用で1時間弱、普通電車でも1時間強という都心から近すぎず、遠すぎない位置関係にあり、週末などにグループによる小旅行が可能なこと。そして「りんりんロード」を背景とした「自転車の旅」とのコラボレーションです。

共用スペースとして、24h利用できる「TAMARIBA」はDJブースや大型スクリーンが配置されたカフェスペースで、文字通り「溜まり場」となるような場所のようです。自転車旅の計画など様々な活用が想定されます。

宿泊ルームはニーズに合わせた3タイプ「サイクルルーム」、「ヤグラルーム」、「ダブルルーム」が用意されます。

「サイクルルーム」は建物のコンセプトでもある「輪泊」をテーマとしており、愛車を部屋に持ち込み一緒に泊まることができる部屋で、広さも26〜34m2と十分です。1室2人12,000円〜。

「ヤグラルーム」は部屋の中心の上段部分がベッド、その下にソファーがあって寛げるスペースがある2段式の部屋で、BEB5軽井沢にも採用されているタイプです。「櫓(やぐら)」は城の見張り台という意味だと思いますが、とにかく楽しそうなイメージの部屋です。1室2人9,600円〜。

「ダブルルーム」はスタンダードなタイプ。駅直結ということもあって出張や一般の旅行などでは最も使い勝手の良いタイプでしょう。1室2人9,600円〜。

土浦駅はこの数年で駅前文化施設「アルカス土浦」、そして「プレイアトレ」と駅前力を向上させています。そして今回の星野リゾートBEB5という強力なホテルを迎え、隣接する「つくば」との差別化を図り、旧来の県南エリアの観光拠点としてリスタートする準備が出来たと思います。

そして何よりも「つくば霞ヶ浦りんりんロード」の本拠地としてプレイアトレ全体が機能することになります。

"駅直結図書館"土浦市立図書館アルカス

概要 アルカス土浦はJR土浦駅直結の図書館を中心とした複合施設で土浦駅中心部の活…
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