概要
「表参道ヒルズ」は東京都渋谷区表参道にある商業施設・共同住宅。75年に亘り表参道の顔として存在してきた同潤会青山アパートの跡地の再開発として計画されました。「ヒルズ」の名称は大手不動産開発「森ビル」の商業施設と共同住宅のブランド。「六本木ヒルズ」をはじめとして「元麻布ヒルズ」、「アークヒルズ」などの都心一等地に複数の物件が展開されています。
表参道は建築家のショールームとも言われるほど有名建築家の作品が軒を並べています。日本人建築家のみならず「GYRE」(MRVDV)、「PRADA」、「MIUMIU」(ヘルツォーク&ドムーロン)と行った著名海外建築家の作品も目白押しとなっています。
"MVRDV"GYRE(ジャイア)オランダのユニットが設計した渦のように回転しながら上層階へ誘導する建築
"ヘルツォーク&ド・ムーロン"MIUMIU青山店 ステンレス鋼板により覆われたバッグから覗くアイテム
設計
設計者は「安藤忠雄建築研究所」と森ビルの共同設計。安藤忠雄氏は日本のみならず世界的な活躍により高い評価を受けきた建築家で、独学により建築を学んだとされ、1970年代にコンクリート打ちっ放しの個人住宅を中心に作品を生み出しました。
出身である関西エリアを中心として活動を始め、その作品は全国、そして世界に広がりました。日本国内での人気はさることながら、海外における知名度、人気の高さは非常に高いものがあります。90年代には、その実績からイエール大学、ハーバード大学、コロンビア大学の客員教授を歴任し、1997年には東京大学建築学科教授に就きました。学歴ではなく建築作品という実績一本でその職に就く事実からも安藤氏の並外れた建築に対する姿勢や実作の持つ力が高く評価されていることを物語っています。東京都内では「国際こども図書館(改修)」、「コレッツォーネ」などがあります。
建築の特徴
建築は表参道のケヤキ並木の高さを超えないことが求めれました。このため、地下部分を有効活用することとし、商業施設は6 層のうち半分の3層を地下に埋設し、地上に立ち上がる建築の高さの最小化を図りました。商業施設の中心となる「スパイラルスロープ」は斜路によって回転しながら昇降、街の中の坂を通りを歩くように、店舗を回遊的に見ながらショッピングを楽しむことができる空間構成です。
通常、商業施設はフラットな階層で各層間は階段やエスカレーターで接続されることになりますが、フルスロープ化することで、歩く移動距離は伸びるものの、狭い都心部においても地理的に新たなストリートを創出することに成功しています。
住戸部分は共同住宅「ゼルコバテラス」が表参道に面してWEST、EASTそれぞれに配置されています。窓からは表参道がアイレベルとなり、ケヤキ並木を視野に入れながらの生活を楽しむことができます。45㎡〜90㎡とバリエーションのある室がラインナップされていますが、表参道という立地から賃貸コストも相応となっています。商業施設と共同住宅部分は中間階免震が採用されていることもあり、大規模地震に対しても使用継続性が非常に高いスペックとなっています。
アクセス
JR原宿駅表参道口より徒歩7分、東京メトロ半蔵門線、千代田線、銀座線表参道駅A2出口から徒歩2分。地下駐車場あり。1ショップあたり3千円(税込)以上で1時間サービス。以降1万円で2時間、3万円で3時間、10万円で12時間のサービスとなります。