太田市美術館 図書館

概要

2018年、群馬県太田市の太田駅前に開館した市立図書館と美術館の複合施設。衰退しつつあった駅前の賑わいを取り戻す核として文化施設の建設が計画された。駅前図書館、活性化ということでは土浦市立図書館・アルカスも同様、街の中心部や活性化ということでは真壁伝承館も同じ路線。

設計

設計は平田晃久建築設計事務所。施工は石川建設。平田晃久は京大出身で現在京大准教授を務める傍、設計事務所を営む。

建築の特徴

建物は5つのボリュームの周囲にスロープを巡らせ、建物内の移動手段としています。多くの図書館の形態は効率的な書棚の配置・整理によって「本の見つけやすさ」を重視する一方で、本施設は「歩行空間の中にいろいろな本がある」という場を提供しています。

旧来の図書館は蔵書数やレファレンス機能、防犯性を高めることが自治体の図書館運営の中心として考えられてきました。これこそが利用者(納税者)への最大の還元手法として認識されてきたからです。

一方、少子化が顕著に進む地方や地域の特色を多方面にアピールする必要性などから、公共施設の中心である「図書館」が量から質への展開が求められつつあります。そういう意味でも「貸出型」→「滞在型」図書館の先進的事例といえますね。

建物によって賑わいを創出する、という役割から本建物は外部に開いて計画。一つは図書館というと本のセキュリティ確保のため出入口ゲートであるBDS(BOOK DITECTION SYSTEM)が普通ありますが、これが無い。これによって出入口を複数設けることが可能となり公共図書館にありがちな管理されている感覚はほとんど無くなります。

もう一点はスロープ動線を外側に張り巡らせることで外部に対して人の動きを視覚化しています。建物にオモテ、ウラを作らないというコンセプトもあわせ建物の表情を全方位的に創っていると言えるでしょう。

 

屋上庭園というより屋上に小山がのっている感じ。このフロアで駅のプラットホームと同レベル

 

1階駅側には地元で有名なキタのスミスというカフェが入り、ボタンなど地産品を扱うショップが併設されている。

太田市は自動車メーカー「スバル」の企業城下町で図書館からもスバル工場の建物が見えます。しかしながら、駅周囲は多くの地方中堅都市がそうであるように、建物群の劣化からくる街の後退感は否めません。

この建物はコンパクトながらもデザインやコンテンツが良く計画されていると感じました。役割としての成果は時間が判断する面もあるで今後の使われ方にも注目したいです。

アクセス、開館時間

開館時間:10:00 ~ 20:00(日曜、祝日は18:00)

休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、毎月最終火曜日

駐車場:有