概要
積水ハウスとマリオットグループの共同プロジェクト「Trip Base 道の駅プロジェクト」は全国の道の駅に隣接する場所にロードサイド型のホテルを展開。ファーストステージとして2020年秋に全国5県に15のホテルを誕生させる計画としており、栃木県のオープンは3拠点で2020年10月に「栃木宇都宮」がオープン。そして「道の駅 もてぎ」に隣接する「栃木もてぎ」が11月にオープンしました。「日光」は2021年春にオープンする予定。
「道の駅もてぎ」は地元の名産「ゆず」を使った「ゆずラーメン」が有名で年間通して多くの利用者がいる道の駅。真岡鉄道のSLが正面の線路を通り抜ける風景もこの道の駅の風物詩となっています。敷地は道の駅の前面を流れる「逆川」と国道123号線が交差する場所になり、国道を挟んだ側にある駐車場に面した場所に現在建設されました。
新たに誕生したフェアフィールドの設え
ホテルのブランドはマリオットが運営する「フェアフィールド・バイ・マリオット」、国内初のブランド展開になります。建物の設計・施工は積水ハウスが担当。年間1万棟以上の建物を手掛け、総計2百万戸以上の建築戸数を誇っており、建築としては賃貸アパート向け商品である「シャーメゾン」シリーズを基本とています。耐震性に優れた重量鉄骨を採用したモデルで規格の統一化による短工期が可能な形態です。ホテルライクに見せるか、そしてマリオット系のラベリングによってどうブランディング・コーディネートしていくか、ということに尽きるでしょう。
建物は3階建で室数は52室。1室25㎡程度のツインルームとキングルームというラインナップ。ツインルームのベッドは幅120cmで2ベッド、キングルームは1ベッドで幅180cmと余裕のある大きさ。室の大きさはリゾートユースに近く広々とした使い方ができます。ややベッド面が高いのは欧米流の作りと言えるかもしれません。
トイレとシャワールームが別の設計となっていますので、2人利用でも煩わしさはありません。一方、ユニットバスではなく「ユニットシャワー 」となっていますので、シャワーでサッと済ます方向けと言えます。洗面台は室内側にあり手洗いや歯磨きなど便利な面もあります。ホテル自体がインポートブランドということもあり、水洗にグローレ(GLOHE)が使用されるなど高級感のある設えも見て取れます。
ラウンジは一般のビジネスホテルと比較して高級感の漂う作りとなっています。ファニチャーなどで高級感を感じることができると思います。ラウンジに併設してキッチンスペースがあり、レンジなどを使い簡単な調理ができるようになっているほか、24H対応のコーヒーサービスも行なっています。カップ麺、ドリンク(アルコール)、スナック等はフロント脇の販売スペースで購入することができます。
室価格と道の駅飲食スペースとの連携
2名1室1泊の価格は平日で12,000円(宿泊料)+2,520円(税・サービス)、休前日で16,000円(宿泊料)+3,360円(税・サービス)。会員料金で10%OFFとなります。食事込みのプランはなし。チェックイン15時-チェックアウト11時。
道の駅併設の大きなメリットとして発表されているとおり、飲食を道の駅で提供できるという点があると思います。ホテル内にはレストランや朝食会場を設けずに道の駅を利用を促すことで、ホテルにとっては専用スペースの設置や従業員の確保も不要となり、道の駅にとってもホテル利用者が入場してくれるため相乗効果があります。
一方、現在の道の駅の開店時間と閉店時間がホテルユーザーとマッチングしないという課題もあると思います。道の駅の飲食店の営業時間は9時〜18時となっていますが、ホテルユーザーとしては朝食6時30分〜8時頃、夕食18時頃〜20時頃が一般的となっています。この道の駅にはセブンイレブンが隣接していますので、こちらに委ねるということもあるのかもしれません。
アクセス
住所:〒321-3500栃木県芳賀郡茂木町大字茂木1069。真岡鉄道茂木駅より徒歩18分 JR東北新幹線宇都宮駅から28km(車で45分) 常磐自動車道水戸ICより車で42分。