概要
「シャネル銀座並木店」は東京都中央区銀座にあるシャネルの旗艦店。シャネルは服飾、化粧品、香水、貴金属など幅の広いアイテムで国内でも高い人気を誇るブランド店です。シャネルの国内初の路面店として1994年にオープンし、20数年の時を経て2017年にリニューアルされました。
設計
建物のデザイン監修は「ピーターマリノ」、実施設計を「大成建設設計本部」が手掛けました。ピーターマリノ氏はニューヨークに事務所を置く建築家で、同じく銀座の「シャネル銀座」や「シャネル表参道」、「シャネル心斎橋」などの設計にも参画。同氏は「CHANEL」のほか「LUIS VUITTON」や「Dior」、「HUBLOT」、「FENDI」などのインターナショナルブランドの店舗設計を国際的に数多く手がけています。2021年には同じく銀座並木通りにオープンした「ルイヴィトン銀座並木通り店」の内装設計を手掛けたことで話題となりました。
"青木淳"「LOUIS VUITTON 銀座並木通り店」ダイクロックコーティングにより色味が変化する波を打つ水の柱
大成建設設計本部はゼネコンとして施工を中心としながも、高い技術力に裏打ちされた設計部門を保有しており、新潟県燕三条市の「Snow Peak Headquaters」などの自社設計・施工物件などのほか、銀座エリアでは「ミキモト2」(伊東豊雄氏と共同設計)、「La・La・Grande GINZA」、「GINZA PLACE」(クラインダイサム共同設計)など多数の実績があります。
建築の特徴
地上10階建の黒い細長い形状に白い開口部がランダムに並ぶ姿が印象的で、数多くの有名建築が立ち並ぶ銀座においても一際、美しい姿を見せています。開口部は階と一致しない設け方がされており、隣り合うビルと共鳴せず、より独立した印象を強めています。
外装は押出成形セメント板にアルミニウムのブラックカラーパネルを貼り付けています。開口部はガラスにフィルム貼りとしてLEDで照らすことで外部に対してより均一な白を表現し、パネルの黒との対比がより際立つ構成。開口部は自由にデザインできるショーケースとしても機能し、夜間には窓が発光体となり、ブランド店としての視認性をより高めています。