概要
栃木県那須町に2019年オープンした「アグリツーリズモ」ホテル。旧二期倶楽部の跡地をリファインし新たな価値を付与し星野リゾートブランド「リゾナーレ那須 」としてオープンしました。
旧二期倶楽部
リゾナーレ那須は旧二期倶楽部の敷地や建物を活用。那須の二期倶楽部と言えば1986年に完成した名門ホテル。渡辺明氏により本館・新館が設計され、その15年後にメインビルディング、パビリオン棟が「コンラン&パートナーズ+山本・堀アーキテクツ」のもと設計・完成。それまでの高級ホテルにありがちな華やかな印象というよりは、那須の環境に対して自然素材を多用し内外の空間の質を高めることで大人のブティックリゾートとして独自の存在感を維持してきました。
2011年に発生した東日本大震災による建物への影響やその対処方針について、当時のオーナーと折り合わず2017年に二期倶楽部としての30年の幕を下ろしました。そして星野リゾートが取得し施設全体のリファイン・リブランドを行いました。
クライン・ダイサムアーキテクツ
新施設「POKO POKO」の設計、そして既存ホテル棟の改修設計はクライン・ダイサムアーキテクツ(KDa)が担当。KDaはマーククラインとアストリッドクラインによる建築ユニットでここに久山幸成が加わり、東京に拠点を置きながら国内外で活躍しています。
KDaは国内では代官山T-siteや柏の葉T-siteなど話題性の高い商業施設を設計して注目される一方、「リゾナーレ熱海」のラウンジや「トマム・ザ・タワーの外観リファイン」など星野リゾートの仕事も数多く手がけていました。
星野リゾート案件はこれまでリノベーション中心でしたが、今回、この那須の地に新作を描き下ろしました。旧名門ホテルのリノベーションも同時に行いつつ、リゾナーレ那須のコンセプトの中心施設として捉えられています。
施設とPOKO POKO
本館(旧2期)と別館(旧1期)を各ゲストルームとし、両建物の中間に新たな滞在拠点となる「POKO POKO」を新設しました。POKO POKOは文字通り3つの屋根がポコポコと大地から頭を出している印象的な建物。中にはBooks & Cafe、子供向けのネット遊具を中心としたキッズスペースを内包しています。
丸太で組まれた円錐屋根の頂からは自然光が入り、3つの円が接しながら和らぎ、空間の豊かさを醸し出しています。地上部分の全面ガラスファサードからは那須の緑を全て取り込み、あたかも森の中の大きな帽子の中にいるような感覚も体験できます。
アグリツーリズモ
アグリツーリズモとはアグリ(農)とツーリズモ(旅)を掛け合わせた造語。リゾナーレ 那須のメインコンセプトです。新たに設置された「アグリガーデン」で旬の野菜を収穫したり、ファーマーとして様々な農体験が可能。他にもオリジナルハーブティを楽しんだり、森のクラフト体験など自然を活かした森の体験が満喫できる場がいくつも用意されています。「POKOPOKO」では収穫された食材を使いながら自ら作り上げるPIZZAも人気。