概要
北海道倶知安町町の国道343号線沿いに僅か18室の低層型ホテルを建設中。2020年12月のオープンが決定しています。
ホテル名は「ニセコ樺山の里 楽 水山(らく すいさん)」
開発主である新日本海フェリーは小樽の「オーセントホテルズ」などを運営、主体はフェリー会社として国内外の港間でフェリーを運航し、北海道では小樽と新潟、敦賀、舞鶴間との定期便があるほか、豪華客船「ぱしふぃっくびいなす」の運航でも知られています。
小樽以外では下関に「下関グランドホテル」を経営していますが、こちらもフェリーの拠点で港のイメージが強い印象があります。
ニセコは「マウンテン・スノーリゾート」として国際的に知られたエリアですが、海と港のイメージを持つ新日本海フェリーが目指すニセコのホテルとはどのような姿なのでしょうか。
場所
ニセコは標高1,308mのニセコアンヌプリの麓にあり、正面に蝦夷富士とも呼ばれる単峰・羊蹄山が構える雄大なランドスケープを持つ世界的リゾート。その麓に誕生する注目のホテルの一つです。建設地は倶知安町の樺山地区にある国道343号線沿い。北に5分ほど進めばヒラフでホテルやコンドミニアムが立ち並ぶエリア、同じく5分ほど北東に進んだニセコアンヌプリ方面には「ヒルトンニセコビレッジ」などのリゾートがあります。
倶知安、ニセコエリアは外資系の資本によりホテルを中心とした開発が進められていますが、樺山地区自体はホテルやコンドミニアムが密集しているわけではありません。
ニセコの高級ホテルやコンドミニアムはスキー客を当て込んだ「スノーイン、スノーアウト」が一つの開発目標となっていますがこのホテルの立地戦略はスキー場直結ではないことからスキー客というよりも、より壮大な自然の中で静寂な時間を過ごしてもらう意図があるように感じられます。(もちろんスキー場も近いため、スノーオプションも十分可能)
建設状況(2019年秋現在)と室構成・価格
建物の設計・建設は国内最大手ゼネコン「竹中工務店」が担当。建物の規模は約3千m2で室数は18と公表。完成予想図からは2階建て程度の中低層、室数や高さを抑えた配置になっています。
独立感のある切妻型の離れを廊下によって繋いだ配置は、各部屋のプライベート感を重視しつつ、十分なホテルサービスを提供できるレイアウトと言えると思います。
外装や内装は「和」をイメージしていることから、外国人富裕層や国内のシニア層を意識しており、中層型のコンドミニアムが多いニセコエリアにあって差別化を図った計画と言えます。
部屋の構成は羊蹄山ビューの「山の間」は75m2で2名タイプ、「水の間」は95m2で4名タイプとなっています。通常料金は121,000円〜となっていますが、開業記念期間は「山の間」が1人1泊2食付き66,000円、「水の間」が1人1泊2食付き77,000円となっています。
温泉・食事・フィットネス
各部屋には源泉掛け流しの温泉が引かれます。「樺山温泉 アンヌプリの湯」。エリアからほど近いニセコビレッジには歴史のある東山温泉が湧いています。東山温泉は泉質も肌がツルツルすると評価が高く、当ホテルの湯も近隣エリアにあるため、近い泉質を持っているのではないでしょうか。
ホテルは室数が限られているものの食事処が用意されています。その日の新鮮な食材によりメニューが構成されるお任せコース。またシェフと対面で鉄板焼きや寿司、天ぷらがカウンター形式で提供されるスペースもあるようです。
また、館内にはフィットネスやエステなどのサービスも提供されるようです。ニセコの大自然のなか心身ともに癒される、そんな場所が、誕生します。
近くにはどんな施設がある?
ニセコは純粋にスキーを楽しむところ、という印象が強いと思いますがスキー以外にも楽しいスポットがありますので紹介します。
同ホテル予定地から車で5分ほどの場所にある「高橋牧場」です。敷地内の牧場で取れた新鮮な牛乳から作られたヨーグルトやアイスクリームやチーズなど、乳製品のどれもが絶品です。
建物群もかわいらしさがあり牧場でありなかがら風景も楽しめるスポットとなっています。
新ホテルの食事にも高橋牧場とコラボした料理やスイーツなどが提供されると嬉しいですね。
完成は2020年12月。ザ・リッツカールトン・ニセコと並行的にオープン。
同じく2020年冬にはニセコヴィレッジ内に「東山ニセコビレッジ リッツカールトン・リザーブ」がオープン予定となっています。
リッツ・カールトンはスキー場直結のスノーリゾートを売りとしたラグジュアリーホテルです。同じ圏内、同時期にオープンすることから何かと話題になるのではないかと思います。