概要
「LOUIS VUITTON 銀座松屋店」は東京都中央区銀座にあるファッションブランド「LOUIS VUITTON」の直営店として百貨店「銀座松屋」に隣接して2000年にオープン。2013年にファサードを全面的にリニューアルしました。
設計
外装設計は「青木淳(AS)」。青木氏は東京大学を卒業後、磯崎新アトリエの勤務を経て独立、新潟県の「遊水館」や「潟博物館」などで実績を固め、国際コンペの「青森県立美術館」で最優秀案となり、近年では「京都市京セラ美術館」、「松本平広域公園陸上競技場」の設計プロポーザルで最適候補者となるなど第一線で活躍を続けています。
ルイヴィトン社とはパートナーとして国内店舗の数々の設計を担当しています。「LOUIS VUITTON 名古屋栄店」を始めとして、「LOUIS VUITTON 銀座並木通り店」、「LOUIS VUITTON 六本木ヒルズ店」、「LOUIS VUITTON ニューヨーク」、「LOUIS VUITTON 香港ランドマーク店」、「LOUIS VUITTON 博多店」、「LOUIS VUITTON 大阪御堂筋店」と多数におよび、2021年には近隣店である「LOUIS VUITTON 銀座並木通り店」が完成しています。
内装設計は分業により、銀座並木通り店と同様にピーターマリノ氏が手がけています。ピーターマリノ氏はブルガリ、シャネル、クリスチャン・ディオールなど、世界中の有名ブランドのデザインを手掛けいます。施工は松屋本店の建設や改修にも関わっている「大成建設」が担当しています。
建築の特徴
銀座の一等地の松屋本店に隣接して、白色かベージュとも取れるような外壁パネルにパターン化されたデザインのファサードが目を惹きます。このパネルにはルイヴィトンのブランドコードである「ダミエ」と呼ばれる市松パターンが表現されています。「茶とこげ茶」をベースとした商品ラインナップはよく目にすることがあり、ルイヴィトンのバッグの代表的なデザインとして広く知られています。
模様はフラットではなく凹凸を持たせることで立体感を作りだすとともに、夜間には照明のスリットとして機能し、より多層的な表情を見せるような工夫が見られます。
設計者はこれらのブランドとしてのコードを散りばめながらも、銀座の歴史的コードでもある「アール・デコ」調の外観を作り出すことも意図しています。アール・デコとは1920年頃欧米で潮流となった芸術様式の一つで、幾何学的な模様をパターン化して建築的な要素としてデザインした手法でニューヨークの「エンパイアステイトビル」や「クライスラービル」、日本では「東京都庭園美術館」などが代表作とされています。