概要
静岡県沼津市「原・浮島地区」に新たな道の駅の整備が計画されています。
沼津市は静岡県東部に位置する人口約19万人の都市。駿河湾に面して「逆くの字」の形をしており、南に伸びる伊豆半島の付け根に位置します。
富士山を背景とする愛鷹山と駿河湾の間には東京と関西を結ぶ国道1号線をはじめとした東西間の主要交通網が整備されています。
沼津市の西部の「原」地区は東海道五十三次の13番目の宿場としての歴史を持つほか、江戸中期の禅僧「白隠慧鶴(はくいんえかく)」が原の臨済宗松陰寺に深い縁があるとされています。
昭和期までは沼津御用邸が皇室の保養施設だったように、富士や駿河湾に近い立地を活かし保養所エリアとしても人気を博してきた場所でもあります。
新道の駅の計画はこれまで有識者や地元関係者が中心となり「道の駅あり方検討会」において方向性を検討してきており、このまとめとして「基本方針」を策定する予定となっています。
道の駅候補地は未定
候補地は現時点では未確定。市が検討段階で用いる「原・浮島地区」という地区名以上の具体的な立地はまだ示されていません。
概要では「国道1号線」の交通量を背景とした集客力に期待した計画、とされていることから、「国道1号線」に面した、あるいは国道から交通利便性が高い場所であることが有力と言えます。
国道1号はバイパス化されていることから、高速のSA(サービスエリア)のようなアプローチや配置が想定されるでしょうか。
今後は複数の候補地を念頭に防災、交通利便・安全性、集客性、地域活性化など様々な指標を元に立地を比較検討し、最適な候補地選定が進められていくことなります。
目指す道の駅の姿
「休憩機能」、「情報発信機能」、「地域連携機能」が道の駅登録ベースでの基本3要件となり、ここにどのような機能を加えるかが、道の駅のウリとなります。
沼津市には既存の道の駅として「道の駅 くるら戸田(へだ)」があります。位置的には西伊豆エリアである「戸田地区」で旧戸田村に位置します。この道の駅は西伊豆の立地を最大限に活かしており、天然温泉「戸田温泉壱の湯」やグルメでは「ビントロ炙り丼」、「わさび丼」がリーズナブルな価格で味わえます。「戸田塩」を使用した「手羽先」も有名です。
道の駅ではありませんが、市内にある第二東名のSA「NEOPASA駿河湾沼津上り・下り」もシラスや桜エビ、ワサビの載った「沼津ぶっかけうどん」など地場グルメが楽しめます。
静岡県内の最も新しい道の駅は伊豆市に2019年にオープンした「伊豆月ヶ瀬」です。
今後の方向性
令和元年に「道の駅基本方針策定業務」をプロポーザル方式により選定された「株式会社流通研究所」と契約しました。これまでの検討整理や検討する上での課題抽出などについて、市と一体となって、報告書がまとめられることとなります。
新たな道の駅を「どのようなコンセプトで運営していくのか」を軸として、様々な既往事例調査や地元でのサウンディングなどを通して、その土地に合った魅力的な道の駅のグランドデザインを最適化していく第一歩と言えると思います。
基本方針はパブリックコメントなどを反映しながら、道の駅の登録、指定管理者の選定などを通して全体の開発・実施設計、そして工事へと繋がっていきます。完成予定は示されていませんが、用地の確保見込みが初期の最大のポイントになるだろうと思われます。基本方針の中でも概ねのスケジュール(必要期間)が示されるのでなないかと思います。