概要
建築家”妹島和世”が地元茨城で設計した駅前事務所ビル。完成当初はURの事務所兼テナントとして稼働していましたがURが撤退し、その後牛久市が購入。現在は牛久市が管理する駅前レンタルスペースとなっており、1階のテナントには郵便局や保育園が入居しています。
「ひたち野うしく駅」は元々、筑波科学万博の臨時の玄関駅「万博中央駅」として整備されましたが、万博終了後は閉鎖されていました。それから十数年後URの駅周辺の開発計画に合わせ、正式に常磐線の駅(牛久駅-荒川沖駅間)として開業。当時駅前には何もありませんでしたが、駅前のランドマークとなるような建物を設計してほしい、という依頼に応じて妹島氏が設計しました。現在では多くの住宅が立ち並ぶとともに、商業施設も充実してきています。ひたち野リフレの周囲にも複数の建物が立ち並びましたが、今も駅前のランドマークとして存在し続けています。
当時は商業施設などの設計で実績があったものの、知名度はまだ高いとは言えない時代でしたが、ひたち野リフレと同時期に設計した岐阜の「マルチメディア工房」が注目されて、その後の活躍につながっています。県内ではその後「古河総合公園飲食施設」、JR日立駅の監修や日立市庁舎などの設計を手がけることになります。同時にSANAAとして、西沢立衛氏とのユニットにより国内外数多くの建築を生み出していきました。
建築の特徴
両面ガラス張りのガラス建築で、駅側のファサードには外側にガラスの横ルーバーが設けられ、まるでガラスのブラインドがかけられているようです。ブラインドは通常内部を視線から制御する目的で用いられますが、ここでは中の様子が外に透過されると同時に刻々と変化する空の様子を常に写し込み、駅前に変化を与えています。
背面にはもともとガラスの外側にパンチングメタルが張られていましたが、外壁改修工事で撤去され内側のガラス面がファサードとなっています。公共施設としては更新やメンテナンス面でコストや手間がかかると判断されたのだろうと推測します。
アクセス
JR常磐線ひたち野うしく駅より徒歩0分。デッキにより駅と結ばれています。