“クライン・ダイサム外観リファイン”星野リゾートトマム・ザ・タワー

“クライン・ダイサム外観リファイン”星野リゾートトマム・ザ・タワー

2020年10月1日

概要

北海道夕張郡占冠村トマムにあるリゾートツインタワー。1987年にタワーⅠ、1989年にタワーⅡが建設されました。当時はアルファリゾートトマムとして運営開始、2004年から星野リゾートが参入。現在では「星野リゾートトマム」として北海道有数のリゾートビレッジとして運営されています。

トマム・ザ・タワーⅠ・Ⅱ

トマム・ザ・タワーは高さ121mとリゾートホテルとしては異質の高さを誇っています。当時何もなかった占冠村の原野に超高層ビルが2つ林立する様相は驚きをもって迎えられました。2020年現在、北海道には60mを超える超高層ビルは約60棟あり、その9割超が札幌市内に集中する中、道内の主要都市から移動に数時間以上要する道央の人口1400人弱の占冠村に4棟(後述するリゾナーレトマム2棟を含む)の超高層建物が林立することが事態が、その異例さを物語っていると言えます。全国的に見ても「村」に超高層建物が存在するのは占冠村だけではないかと言われています。

オープン当時の外壁はレンガ調のタイル貼りでしたが、冬季にはマイナス30度を下回る環境は凍害による外壁の劣化を進行させ、膨大な暖房負荷と合わせて、その補修費は経営リスクとして孕んでいました。2008年になり星野リゾートが外壁改修を進めることなりました。

トマム・ザ・タワー1(左)、タワー2(右)。右奥の2つのタワーは星野リゾートのハイエンドブランド「リゾナーレ」。こちらは全室スイート仕様となっている。

クライン・ダイサムアーキテクツによる外壁リファイン

外壁の改修デザインはクライン・ダイサムアーキテクツ(KDa)が担当。KDaはマーククラインとアストリッドクラインによる建築ユニットで、ここに久山幸成が加わって東京に拠点を置きながら国内外で活躍しているユニットです。

KDaは国内では代官山T-siteや柏の葉T-siteなど話題性の高い商業施設を設計して注目される一方、「リゾナーレ熱海」のラウンジなど星野リゾートの仕事も数多く手がけています。2019年には「星野リゾート那須 POKO PO KO」の新築を設計したことでも話題となりました。

"葉のウォール クラインダイサム"柏の葉T-SITE 蔦屋書店

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"クライン ダイサム設計"リゾナーレ那須 POKOPOKO

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KDaはザ・タワーをリファインするにあたり、「緑豊かな夏(タワー1)」、「雪深い冬(タワー2)」というそれぞれの季節において同系色のカラーリングによって、その姿をなるべく感じさせないようなモノトーンの世界観を表現したかった、とのこと。

タワー1を見ると「深緑」、「黄緑」、「グレー」、「赤」が用いられ足元は「深緑」をベースとして、徐に「黄緑」、「グレー」へとグラデーションしていきます。「赤」はアクセントカラーとして散りばめています。空に近づくほどグレーとなり、徐々に「空色」に近づいていく手法に設計者の意図を感じます。

タワー2は「こげ茶」、「薄茶」、「グレー」、「赤」でタワー1とパターンは同じ。茶と緑で対色としながらも2つのパターンを合わせることで調和を図っているように見えます。

星野リゾートトマム

「水の教会」があるのは北海道夕張郡占冠村にあるリゾートヴィレッジ「星野リゾートトマム」です。冬は幅広いスノーアクティビティ、夏はグリーンやウォーターアクティビティなど年間通して楽しめる場所です。

最近ではスノーゴンドラによりトマム山山頂から眺める「雲海テラス」が有名で、冬にはマイナス30度にもなる低温環境を活かした「氷のホテル」なども話題を呼んでいます。

ホテル棟は全室スイート仕様の「リゾナーレトマム」、色々な室構成のある「ザ・タワー」があり、どちらも120mある超高層仕様。眺めは抜群で日によっては高層階から雲海が見られることもあります。

リゾート内にある「水の教会」は安藤忠雄氏が設計した教会。トマムの自然の中にありながらも、その建築によってまた違った風景を作り出しています。

"安藤忠雄"星野リゾートトマム"水の教会"

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