概要
「スターバックスコーヒー新宿御苑店」は東京都新宿区・渋谷区にある新宿御苑(庭園)内にあるスターバックスの店舗。2020年にオープン。新宿御苑は環境省が所管・管理する有料庭園で、御苑内に民間企業の運営する店舗が入居する初めてのケースとなりました。
出店
環境省は新宿御苑の魅力向上を目的として「新宿御苑レストハウスにおけるカフェ出店事業」において、出店事業者の公募を実施。店舗の事業計画や内外装設計などを評価したうえで「スターバックスコーヒージャパン」を事業者として決定しました。「新宿御苑レストハウス」は1980年代に建築され、約40年近く運営されてきましたが民間企業の活力と新宿御苑の環境を相互に高める計画と位置付け事業化しました。施設の改修設計は「スターバックスコーヒージャパン」。スターバックスの店舗は国内に1,200を超えますが、その多くを社内の店舗設計部によりデザインされていると言われています。
リージョナルランドマークストアと公園内のスタバ
全国に1,200以上あるスタバの店舗のうち25の店舗(2020年12月現在)が「リージョナルランドマークストア」として位置付けられています。「リージョナルランドマークストア」は「国内の象徴となる場所に建築デザインされ、地域の文化を世界に発信する店舗として訪れる人々がその地域の歴史や伝統工芸、文化、産業の素晴らしさを再発見し、その発見を通じて地域へ絆を感じられるよう、様々なローカルのデザインエレメントを織り込んだ店舗」(スターバックスコーヒージャパン)としています。
目黒にオープンした「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」は未だ世界に5店しかないスタバのフラッグシップモデル店で隈研吾事務所設計のもと文字通りランドマークとなりうる店舗として注目されました。
公園内にあるリージョナルランドマークストアとしては「富山環水公園」が世界で最も美しいスタバの一つとして知られているほか、大阪城森ノ宮公園店、浜松城公園店、山口中央公園店、奈良鴻ノ池運動公園店、福岡大濠公園店などリージョナルな場として「公園というロケーション」を重視されていることがわかると思います。
新宿御苑店は「リージョナル」という点では十分すぎる要素を備えていますが、現時点ではリージョナルランドマークストアにはラインナップされていません。新宿御苑が環境省所管ということもあり、企業広報に繋がるアクションを控えているのかもしれませんし、有料施設付属のレストハウスという立場からその必要性が現時点では無いと判断されているのかもしれませんが、「”隠れ”リージョナルランドマークストア」として今後、注目されていくかもしれません。注)2022年現在では公式に「リージョナルランドマークストア」として掲載されました。
"隈研吾"スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京 目黒川沿いにあるスタバのハイエンドモデルストア
建築の特徴
建築は1980年代に建てられたフレームを既存利用して改修しました。施設は環境省所管ということもあり、内装を主として公募条件ともなっている資源循環や木材利用をテーマとし、持続可能なカフェ作りを探求しています。既存の建築は御苑内の敷地形状を活かし池の傾斜に向かって開いた形態としています。全面をガラス張りとして御苑内の景観を大きく取り込んでいます。ストア内はセンターキッチン方式として開放感の高い店内となっています。天井やカウンター、テーブルなどには木材がふんだんに活用されており、温かみのあるインテリアとなっています。同時に大開口部から入り込む御苑の景観との親和性も高いと感じられる空間です。
アクセス
スターバックスコーヒー新宿御苑店は有料施設内にあるため、入園料が必要となります。(一般500円、学生250円)スタバの利用だけでなく、新宿御苑の散策と合わせて利用することが好ましいと言えます。年間パスポートが2,000円で販売されていますのでヘビーユーザーやサードプレイスとして利用される方はこちらの方がリーズナブル。
広大な新宿御苑には3つのゲートがあります。この内、レストハウス(スターバックス)に最も近い入り口は「千駄ヶ谷門」となります。続いて「大木戸門」、そして「新宿門」となります。
営業時間は新宿御苑の開園と合わせた9時〜17時30分(L.O17時)